例えば腕時計。
ちなみにこの手は私ではありませんよ。
こんな毛むくじゃらじゃないです。
すべすべです。
大学入学のお祝いで買ってもらった。
そして大事な試験の時はお守りとしてその腕時計をはめていく。
その腕時計にはどんどん大事な思い出が乗っかっていく。
と、いったようにモノにはものがたりが記憶されていきます。
そしてそのものがたりこそが "価値" であり、私達の心を響かせるのです。
…
突然ですが「軍艦島」と呼ばれる場所を皆さんご存知でしょうか。
正式名称「端島(はしま)」
長崎県にあります。
コンクリートで塗り固められた外観が、まさしく軍艦のよう。
戦前、戦中から海底炭鉱によって栄え、
しかし石炭から石油へ主要エネルギーが移行したことで閉山し、
現在は無人島になっているとのこと。
近代化遺産として保護対象になっていますが、
一部観光客も上陸出来るらしいです。
廃墟なんてキモいと思ったあなた。黙って読みなさい。
廃墟の真髄を見せてあげます。
ここではものがたりのあるモノがたくさん見つけられます。
例えばこれ。

ぱっと見ただけではわからないかもしれませんが、
コンクリート造りの集合住宅の中に、
木造の長屋が造られているのです。
大正から昭和への時の流れ、
そしてそのはざまから当時の人々の息づかいが聞こえるようです。
次にこれ。
ただ実はこれ、屋上にあるんです。
子供が落ちたら危ないのに。
実は地上に保育園を作っても、
建物がひしめきあっているためうす暗くなってしまうことから、
日当たりのいい屋上に保育園を作ったんだそう。
コンクリートでできた島のコンクリートのマンション。
その屋上にある保育園で子供達はどんなことを考えながら育ったんでしょう。
…
今紹介した風景とものがたりはほんの一例にすぎないし、
理論的に説明できるものばかりです。
他の何でもない住宅の写真を見ても、
きっと心に響くものがあるはずです。
そこに確実に存在するものがたりを察知するセンサーが人間には備わっているのですから。
さて。
あなた自身はものがたりのあるヒトですか?
誰かの心を響かせるものがたりは、あなたの中にあるでしょうか。
色々なものを見聞きする、色々なことを体験する。
誰かにその時した感動を伝えるもっとも良い方法は、
それらを吸収し、変わっていくあなた自身を見せることなのではないでしょうか。





