帰宅して早々、父が放った第一声。

 

「この前教えてもらった道は分かりづらかった!!!変な道通させやがって!!!」

 

……怒鳴り散らかしますか、帰ってきて早々。

さすがにムッとしつつも、改めてメリット・デメリットを丁寧に説明。

 

「今回は初めてだったし、極論“家にたどり着ければOK”と思って、安全性と目印の分かりやすさを優先したんだよ」

 

と話してみたものの——

 

「でも分かりづらい……あれじゃ道なんて覚えられない……」

 

と、まさかの全面拒否。そして、この話は3日、4日ネチネチと言われ続けた。

カーナビがあるにもかかわらず、それでも納得しない頑固な父。

 

それで終わるかと思いきや、実家に来た旦那に父はこう言い放つ。

 

「家までの道を教えて欲しいんだけど。」

 

えっ・・・。教えるも何もこの前説明したじゃないか。

しかも、母からもルートを教えてもらっている。

まさかのサードオピニオンを主人に要求。

 

父はお手製の手書きの地図をこしらえて、必死に「分かりやすい道」の教えを乞う。

ただ、案の定主人も私が教えた2パターンの道を教えていた。

まあ、そうだよね。だって道はそんなに無限ではないんだもん。

 

父はその後何度も何度も同じような質問をして自分の納得のいく答えを出そうとしていたが、

珍しく根負けしたのか、

最後には「うん、わかった。わかった。」

と言って引き下がってようやく父の気が済んだようだ。

 

ここからは推測だが・・・

 

ここからは、少し私の推測も交えて話そうと思う。

母は、父から「運転が下手くそ」というレッテルを貼られてしまっている。
昔から私にもよく言っていた「お前にはできない」という言葉を、母にも向けているのだ。

 

その影響か、母は自信がないそぶりを見せるようになり、父に必要以上に頼るようになってしまった。

たとえば——

  • 前向き駐車の時、「どっちに切り返せばいいかな」と毎回聞く

  • 合流のタイミングを父に教えてもらう

でも、父が同乗していないときは一人で運転している。つまり、本当はできるのだ。

だから、母のセカンドオピニオンも、父にとっては「焼け石に水」だったのかもしれない。

 

私自身も、免許を取ったばかりの頃は父を助手席に乗せて地元の道を練習したけど、
今では結婚して車を持ち、首都高だって一人で運転できる。

運転技術も、地図を読む力も、正直、両親より上がっていると思う。

 

それでも、私を「運転できない子」として扱ってくるのは、
きっと——父のプライドが、邪魔をしているのだろう。