風花 31 どうしたの | 緑の木陰で妄想日和

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相葉さんのお名前をお借りして
女の子といろいろ絡むお話。
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お話部分のみ、お引越し♪
この分野にご理解のない方はお控えください。

(31)どうしたの

いつの間にか雨は降らなくなっていて、日差しが強く照りつける暑い日々がやってきた。

『…なちゃん。はなちゃん!』
「は、はい!」
『どうしたの? 聞いてた?』
「あ…すみません」
『なんだ、聞いてなかったの。も一回言うよ』

いけない。ぼんやりしてた。
しっかりしなきゃ。
『しっかりして。ここ大事なとこだよ』
「すみません」
相葉さんは最初から丁寧に説明してくれた。
二度手間をかけさせてしまったことが申し訳なくて、一生懸命メモを取った。
こんな集中力のないことでは駄目だ。
へこむけど、仕事は仕事。きちんとやらないと。

仕事が終わってから、相葉さんが声をかけてくれた。

『今日はどうしたの波奈ちゃん。らしくないよ。何かあった?』
心から心配そうに言ってくれる相葉さんに申し訳ない気持ち半分、あなたのせいと言いたい気持ち半分。
いや違う。
相葉さんのせいじゃない。全然ない。
誰のせいでもない…単純でおめでたい自分のせい。
黙って気持ちを飲み込むしかない。

「いえ、なんでもありません。すみませんでした」
笑え。
『何かあるなら言って? いつでも相談にのるよ』
張りつめた気持ちへ優しい言葉をかけられて、反射的にうるっときてしまった。

いつも相葉さんは親切で優しい。
私は張り付いた笑顔でその言葉を聞き、自分の心へ命令した。
泣くな。笑え。
その優しさがつらいなんて、贅沢で見当違いもはなはだしい。
そんな感情は私一人の勝手な事情なんだから、そんなので迷惑をかけたらいけない。

「ありがとうございます。大丈夫です。…ちょっと、失礼します」
『あ、待って、波奈ちゃん!』

一礼して、気持ちを落ち着けようといったん部屋から出た。
顔が見られない。
これ以上つっつかれたら涙が出てしまう。

あまり人のいないところを探して歩き回った。
トイレに行こうかと思ったけど定時後の女子トイレなんて騒がしくて落ち着けないし、泣き顔なんか絶対、他の子に見られたくない。

通路の奥に冷水器が置いてある廊下の突き当りの出入り口はあまり使われてないから、しばらくそこにいた。
早く落ち着かなきゃ。



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