★宮崎勤のもう一つの罪★ | うっちゃぎの★やさしい!★メディカル教室

★宮崎勤のもう一つの罪★

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この前、最高裁でも死刑判決が出ましたね

この事件は私が小学校の頃の事件で、とても衝撃的な事件だったことをよく覚えています

今の時代になっても誰もが宮崎勤を知っていますし、もしかしたら今の中学生や小学生も知っているかもしれません

それほど社会的影響の強い事件だったということです

で、宮崎勤の場合、果たして責任能力があったかどうかが随分と焦点となっていたようですが、実際の所はどうだったのでしょう

皆さんはどう思われますか?

色々な意見はあるとは思いますし、そもそも死刑そのものに対して反対派の方もいらっしゃります

そこら辺の問題まで触れてしまうと話しがよく分からなくなってしまいますので、ここではあえて宮崎勤のもう一つの罪について焦点を絞っていきたいと思います

もう一つの罪、それは統合失調症に対する世間のイメージを思いっきりゆがめてしまったことです

精神鑑定で情状酌量が認められる場合とは!?


それは「心神喪失」か「心神耗弱」の状態です

「心神喪失」は全く判断能力のない状態で、「心神耗弱」はかなり判断能力が失われた状態のことです

そして、実際には統合失調症の心神喪失又は心神耗弱状態であれば情状酌量は認められることがあります

もちろん、遺族としてはそれでも納得がいかないのですが、もちろん宮崎勤の弁護団はそれを狙っていたことでしょうし、原告側は精神鑑定により逆に責任能力が問われて欲しいと思う訳です

そういう訳で、精神鑑定は両者に対して中立的に客観的判断が必要とされます

このケースは果たしてどうだったのでしょう

あくまで「表面的な情報」から判断すれば宮崎勤は統合失調症には私はみえない


精神鑑定を実際行った医師の判断も統合失調症は否定的という意見です

中には特殊なケースの統合失調症の可能性を指摘した方もいらっしゃったが、おそらくそうとう慎重に診断した結果だと思います

絶対に誤診は許されないケースなので、相当様々な可能性を考えられたようです

個人的には「統合失調症(原文は精神分裂病)の可能性はまったく否定できないが、現在の段階では、人格障害の範囲と思われる」という一番最初に行われた精神鑑定の結果が一番妥当のように思われます

理由については「宮崎勤裁判 中」(朝日文庫/佐木隆三/2000)に書いてありますが、この説明を一般の方が読んでもあまりよく分からないかもしれません

難しいことを言えばどれだけでもいえるのですが、あくまで私は直接会った訳ではないので、何とも言えませんし、精神鑑定の結果が妥当かどうかは見ていないので議論するつもりはありません

ただ、ここでちょっと分かっていただきたいことがありますのでそれについて話そうと思います

実際にはほとんどの統合失調症の方は至って普通です


統合失調症はとても頻度の高い疾患で、おおよそ100人に1人とも言われています

きっと皆さんは何度か統合失調症の方に会った事があると思います

しかし、ある医療系漫画「・・・よろしくっていう漫画」に出てくるような方は実際にはまず見たことがないと思いますし、実際にはほとんどいません

よく色々な漫画や小説のネタとして出てくる統合失調症患者は大体こんな感じかもしれませんので、イメージとしてどうしてもこういうイメージを持ってしまったかもしれません

さらに、宮崎勤が幻聴が聞こえるとか「ネズミ人間が・・・」とか言っていますので、さらにイメージの悪化に拍車がかかったように思えます

統合失調症はそういう病気ではありません

統合失調症は様々な形の症状が出現しますが、ほとんどの場合は理解することが難しいことがあっても、危険なことをするような方はほとんどいません

そして、ほとんどの統合失調症の方とはかなり気楽に会話ができますし、入院中の患者さんであっても漫画や小説のネタにしているような方はほとんどいません

もし襲い掛かったり、暴れたりしているような人を見たことがあるというのであればほとんどが別の原因と考えていいと思います

が、まれにこういった症状が強く出る方もいらっしゃるために小説や漫画のネタにしたかもしれませんが、急激にこういう症状が出るような統合失調症は皆無なのです

だから、現実的には統合失調症によって心神喪失・耗弱で殺人を起こすことはまずないので、適用されることも少なく、もっぱら殺人事件の場合は別の原因で精神鑑定が行われるケースがほとんどと言っていいのです

個人的には宮崎勤もそうだと思っています

では、なぜ宮崎勤が統合失調症に見えないと言えるのか!?

皆さんは直接会った事がある人などまずいないと思いますのでどんな人かというイメージは全てマスコミからの情報となります

それは本当は望ましい姿ではないのですが、これほど社会的影響の強かった事件。あえてマスコミの情報からの宮崎勤を分析しています

どうやら色々な周囲の環境が影響したような印象を受けますが


多くの方は、「手のひらちょうだい」が出来なかったこととか、家庭環境から人間性がゆがめられたとか、性をゆがめる漫画やビデオが原因だとか、まとめると周囲の環境が影響したことを焦点に挙げている方がほとんどです

私からすれば「これらの環境要因が原因」だということは、「統合失調症ではない」と言っているのと同じです

統合失調症は確かに環境の変化によって症状が出現する「キッカケ(原因ではない!)」となることはありますが、こういういかにもという環境要因で統合失調症が発症することは通常ありません

そうなると統合失調症は「周囲の環境による性格のゆがみ」が原因だと勘違いしてしまう方がいらっしゃると大変なのです

ましてや性に対する刺激の強いものによって人格形成に影響を与えても統合失調症が発症することはT通常考えられません

だから、統合失調症ではなさそうであれば、これこそどんなに人格障害が強かったとしても情状酌量は考えられないということになります

多くの方が誤解しているのは、「あまりにも重度の人格障害は情状酌量の可能性があるのでは!?」ということですが、これは通常あり得ません

それはちょっと考えれば分かることだと思います

過去に物凄く辛いことがあって、いつも不幸のどん底状態で生きていきた人はもちろん気の毒だと思います

しかし、だからと言って殺人を犯していいものか

ましてや変な性刺激を受け続けて性に対してゆがんだ感情を持ち、それに駆られて殺人を犯してもいいのか

これは「心神喪失」ではありません

これを心神喪失と認めてしまっては遺族はたまったものではないでしょう

統合失調症とは全く別次元の話しです

しかし、幻聴が聞こえるとか言っているが・・・


どうやら「ネズミ人間」がどうとかこうとか言っていますよね

最近もどうやら「幻聴」や「幻覚」があると言っていたみたいです

私はこの言葉を聞いただけでも少なくとも典型的な統合失調症の症状ではないと思っています

確かに統合失調症の場合、「幻聴」「幻覚」はありますが、多くの場合、それを自覚しないことが多いです

しかし、「幻聴」とか「幻覚」という言葉を使っているということは聞こえてくるものや見えるものが幻聴や幻覚だということを認識していたということになります

おそらく、統合失調症の診断はついていないと思われるため、統合失調症に準じた治療は行われていないと思います

最初は「幻聴」「幻覚」という認識がなかったが、治療によって認識するようになったということはあり得ますが、もう事件から数十年もたった状態で、自分から認識するようになるのは(ましてや拘置所の中で)考えられないのです

そして、どうやら4回の犯行時に「ネズミ人間」がでてきたらしいのですが、これについてはどうでしょう

「ネズミ人間が殺せ!と言ってきたから怖くなって「衝動的に」殺した」というのならまだ分かるのですが、車の中から歩いている少女に対して「ねぇねぇ、涼しい所に連れて行ってあげるよ」と明らかに少女を誘拐するような行為はとても妄想には思えません

どれだけ「ネズミ人間が見えた」と言って絵を描いても精神鑑定上、全く意味のないものですし、実際に精神鑑定上は「精神病による妄想には思えない」と判断しています

まぁあくまで推論で言っているのですが、最後に


ここまでは私論なのですが、間違いないのは統合失調症に対するイメージがゆがめられたこと

100歩譲って特殊な統合失調症だったとしてもほとんどの統合失調症の方はこんな風ではない以上、どれほど差別の目が強くなったかを思うととても辛いです

ましてや統合失調症のフリをして幻覚や幻聴があると言っているのであれば・・・それはもう原罪に負けないくらいの最大の罪でしょう