2011年7月21日
11:15 眼科へ
それでは、手術の説明をしますからこちらへどうぞ
高村さんの優しい声から、始まった
高村さんは眼科で一番好きな看護婦さん
ほとんど話したことはないが、他の患者さんに接している彼女を見ながら
素敵な人だなといつも思っていた
必要以上でも以下でもない自然な笑顔
それが一番素敵だった
前回の別の看護婦さんの説明で
ピアスはとってきてください。
マニキュアとつけ爪もとってきてくださいね。
と言われた通り、すべて守ってきたつもりだった
ごめんなさい。
せっかくきれいにのばしているけど
爪は切りましょう。
常識で考えれば解るはずなのに
私は長い爪を切ってなかった
説明用の個室に爪切りを持ってきてくれ
「せっかくきれいにのばしているのにね、ごめんなさいね」
きっとこの優しさが、これから手術を受ける人の心を和ませているんだろうな
12:15 手術室
高村さんに導かれ、眼科から手術室へ
「手術室」と書かれた大きな銀色の扉
なんかたいそうだなと思いながら、自分を落ち着ける
2つめの扉に入ると準備室のような所がある
そこで名前を再度確認される
手術着に着替え、ここで高村さんとはいったんお別れ
「頑張ってね、迎えに来ますからね」
いくつもの手術室が並ぶ廊下を手術室の看護婦さんに連れられ
廊下を進む
「ここを右に、次を左に・・・」
歩いているうちに思い出した
前と同じ手術室かも
この突き当たり
同じだった
4年前のことだからか、初めてで緊張してたからか
中のことは何も覚えていない
眼科の手術は歯科の治療代のような椅子のタイプ
後ろに下がりますから頭を付けて
天井に無影灯が見えた瞬間、手術が始まると思った
その瞬間、時計を探した
4年前の手術、自分では2時間にも3時間にも感じたが
きっと20~30分程度だったのだろう
それを確かめたかった
先生が来るまでに目の消毒をしましょう
きた~
前回の手術で一番つらかったのはこの消毒
消毒液を目にかけ流すのだが
しみて痛くて痛くて
そんなに消毒しなくてもいいじゃないと叫びたくなるほど
長くて長くて
つばを飲み込む
緊張がたかまってきた
「先生が来られました」
え、まだ消毒もしてないのに
「さぁ、消毒しますね」
時計を見た
12:30
心の準備もないまま、始まった
痛い~
頑張って目を開いてください
自分では開いてるつもりなのに
痛くて開けない
看護婦さん2人がかりに目を開かれ
消毒が終わった
意外にも短く感じた
「さぁ、始めますよ。頑張ってくださいね」
・・・・
そこからは何が何だか解らない
「さぁ、頑張って目を開けて、上を見るように」
手術中何回言われただろう
途中からは、開いているのは閉じてしまっているのかも解らなかった
閉じてしまってると思っても、先生は何も言わず、
私の目に何かしているし
光が見えるから開いていると思っても「頑張って開いて」と言われる
途中で何度も息を止めてしまってる自分に気づく
奥歯が砕けそうになるくらい歯を食いしばっている
「痛くなったら言ってくださいね。麻酔を足しますから」
う~
「痛いですか? 麻酔を足しましょうね」
「う~」
精一杯の言葉だった
「痛いです。麻酔を足してください」だが
言葉を発すると動いて、メスが眼球に当たってしまうのが恐くて
きっとそんなことはないだろうが
「う~」が精一杯だった
何回言った(うめいた)か解らないが
先生がすぐ理解してくれたのには助けられた
なにせ、局部麻酔だから
今回は、あまり見えないように眼球部分に
ガーゼのような物を乗せてくれていたように思うが、やはり見える
先生の顔は目の前だし、
メスなどが動くのがすべて見えながらの手術
いろいろなことを想像してしまう
定期的に、右腕に付けられた血圧計がふくらみ
右手が締め付けられると、息を吐く
そしてまた息を止める
どれくらいの時間が経っただろう
だんだん、痛いのか痛くないのかも解らなくなってきた
長い、とても長い
前の手術で局部が硬くなっているとかで
その部分をとるのに時間がかかっていると先生から説明があった
人間ってすごい
慣れてきた
普通に息をしている
恐くて恐くて 恐くて恐くて
あんに恐かったのに
慣れてきている
「もう少しですよ、頑張ってくださいね」
はい。声を出して答えた
糸?
かすかに見える物の中に細長いものが光った
そして、先生の動きは、縫っている
何を縫ってるんだ
前の手術はなかった行為だ
また言葉を失った
う~
「もう少しですから。頑張りましょう。上を向いて」
う~
「しっかり開いて」
う~、う~
痛いのかと聞かれると解らない
痛いと言うより、恐いの方が正しい
「さぁ、終わりましたよ。長かったのに、よく頑張りましたね」
手術台が起こされたがしばらく立てなかった
やっと終わった安堵感で
前進の力が抜けた
ずっと開いていた目も開くことを拒んだ
何時ですか?
「2時15分ですよ」
涙が出てきた
7月20日
いよいよ明日は手術
放射線
考えて、考えて、考えて
でもまだ決心はできていない
もう少し若かったら
もう少し年をとっていたら
きっと決心するだろう
でも、今からの3年はキツイ
長すぎる
長すぎる
ん~
そんなことを考えてても
明日は手術
今考えられるのはそれだけ
明後日、術後の検診があるから
そのとき、もう一度主治医と話してみよう
それで、納得できたら、
もし納得できたら
もう一度、放射線も考えてみよう
一応、パンダ目をカバーする大きめのサングラスは購入した
とにかく、明日に備えて
ビール飲んで、熟睡しよう!
いよいよ明日は手術
放射線
考えて、考えて、考えて
でもまだ決心はできていない
もう少し若かったら
もう少し年をとっていたら
きっと決心するだろう
でも、今からの3年はキツイ
長すぎる
長すぎる
ん~
そんなことを考えてても
明日は手術
今考えられるのはそれだけ
明後日、術後の検診があるから
そのとき、もう一度主治医と話してみよう
それで、納得できたら、
もし納得できたら
もう一度、放射線も考えてみよう
一応、パンダ目をカバーする大きめのサングラスは購入した
とにかく、明日に備えて
ビール飲んで、熟睡しよう!
7月4日
眼科に行った
先生、放射線は予約しました。
でも、キャンセルしたいんです。
主治医の顔は、???
今は無理です。
もう一度、手術してもらえませんか?
放射線科に行き、予約をした後
ネットで色々調べた
症例は少ないものの、何人かのブログが見つかった
「抜けるのはまつげだけって言われたのに、眉毛もなくなってしまった」
「皮膚と瞼の間が焼けて真っ黒になった」
「目の周りが乾燥しきって、パンダみたいに真っ黒」
「片方の目が小岩さんのようになってる」
「3年経っても腫れがひかない」
「とても外に出られない」
「皮膚のただれが何ヶ月も治らなかった」
などなど
もちろん個人差はあるだろうけど
極端に皮膚の弱い私が、どうして放射線を受けられよう?
「片方の目が小岩さんのようになってる」
私は両目
無理、絶対無理
お願いです。
もう一度手術してもらえませんか?
「決めるのは、患者さん自身です。ただ医者は、一番いい方法を勧めます。
あなたの場合、切ってもまた再発しますよ。
それなら、少しでも確率の高い方を勧めます」
でも、確率だけですよね?
100%じゃないですよね?
「もちろん、100%ではないです。でもゼロ%でもないです」
先生、今は無理です。
仕事ができなくなります。
「仕事より、命じゃないんですか?
転移する危険性を持ってるんですよ!
脳に転移したら、とてもやっかいなことになりますよ」
脳に転移?
・・・・・
でも、
でも、決心はできない。
どうなるのか、想像ができないことに決心はできない。
仕事より命
そんなことは解ってる
でも、放射線を受けて
2年も3年も外に出られない顔になって
やっと治ったとき、仕事がなくなってたら
どうなるの?
2年も3年も待ってくれる会社など、今の時代あるわけがない
今までのキャリアがすべて無駄になる
そんな簡単に決められない
その上、完治する確率だって100%じゃない
そんなやりとりが続き
手術することを承諾してもらった
手術の日を決め、説明を聞き(4年前も聞いたけど)
病院を出た
脳に転移
今度はその言葉に悩まされる
脳に転移したらどうなるの?
死ぬの?
それとも、何も解らなくなるの?
何がおこるの?
急に不安になる
今から3年
長い、長すぎる
解らない
決められない
眼科に行った
先生、放射線は予約しました。
でも、キャンセルしたいんです。
主治医の顔は、???
今は無理です。
もう一度、手術してもらえませんか?
放射線科に行き、予約をした後
ネットで色々調べた
症例は少ないものの、何人かのブログが見つかった
「抜けるのはまつげだけって言われたのに、眉毛もなくなってしまった」
「皮膚と瞼の間が焼けて真っ黒になった」
「目の周りが乾燥しきって、パンダみたいに真っ黒」
「片方の目が小岩さんのようになってる」
「3年経っても腫れがひかない」
「とても外に出られない」
「皮膚のただれが何ヶ月も治らなかった」
などなど
もちろん個人差はあるだろうけど
極端に皮膚の弱い私が、どうして放射線を受けられよう?
「片方の目が小岩さんのようになってる」
私は両目
無理、絶対無理
お願いです。
もう一度手術してもらえませんか?
「決めるのは、患者さん自身です。ただ医者は、一番いい方法を勧めます。
あなたの場合、切ってもまた再発しますよ。
それなら、少しでも確率の高い方を勧めます」
でも、確率だけですよね?
100%じゃないですよね?
「もちろん、100%ではないです。でもゼロ%でもないです」
先生、今は無理です。
仕事ができなくなります。
「仕事より、命じゃないんですか?
転移する危険性を持ってるんですよ!
脳に転移したら、とてもやっかいなことになりますよ」
脳に転移?
・・・・・
でも、
でも、決心はできない。
どうなるのか、想像ができないことに決心はできない。
仕事より命
そんなことは解ってる
でも、放射線を受けて
2年も3年も外に出られない顔になって
やっと治ったとき、仕事がなくなってたら
どうなるの?
2年も3年も待ってくれる会社など、今の時代あるわけがない
今までのキャリアがすべて無駄になる
そんな簡単に決められない
その上、完治する確率だって100%じゃない
そんなやりとりが続き
手術することを承諾してもらった
手術の日を決め、説明を聞き(4年前も聞いたけど)
病院を出た
脳に転移
今度はその言葉に悩まされる
脳に転移したらどうなるの?
死ぬの?
それとも、何も解らなくなるの?
何がおこるの?
急に不安になる
今から3年
長い、長すぎる
解らない
決められない