話題作。
今の世界情勢を映し出し、ヨーロッパでも注目されている一冊。
イタリアの人気絵本作家タビテ・カリと、エストニアの画家レジーナ・ルック=トゥーンペレ。
翻訳は山崎マリさん。
いまの社会に、妙に刺さる。
誇り高いクマの兵士は、自分の剣の強さを信じている。
「オレさまの剣で、きれないものはない」
森の木を切り続ける。
力を確かめるためだけに。
やがて森は消え、大水が来る。
砦は壊れる。
クマは言う。
「誰のせいだ?」
犯人探しが始まる。
動物たちをたどるうちに、原因は少しずつ遡る。
そして気づく。
すべてはつながっている。
自分が切った木、その結果の水、壊れた砦。
他責にするほど、答えは自分に戻ってくる。
この構造、どこかで見ている。
環境問題。
戦争。
そして今の社会。
誰かのせいにする空気。
最後、クマは剣を捨てる。
誇りも捨てる。
山崎マリさんの言葉が残る。
思い通りにならないことを受け入れるのが不得手。
これは子どもの本ではない。
大人のための一冊。