第72回紅白歌合戦 | #029ブログ#
冷たい強風が身を切るような屋外をよそに、2年ぶりに有観客での開催となった第72回紅白歌合戦が31日、歓喜に包まれながら大団円を迎えた。無観客開催だった前回に比べ、2110人の観客が拍手やサイリウムを振りながら応援する“生きた”大みそかの風物詩が帰ってきた。各アーティストが趣向を凝らした歌唱を披露する中、司会の大泉洋と川口春菜、和久田麻由子アナウンサーがこれまでと違う“中立の立場”でステージを盛り上げた。オープニングで3人が登場すると「司会の川口春菜です」「同じく司会の大泉洋でございます」とあいさつ。前回までの「紅組司会の…」「白組司会の…」という言い回しから変わった。和久田アナは「私たち司会は紅組、白組と分かれることなく、アーティストの皆さん全員を応援します」と説明。前回、白組司会なのに紅組歌手を応援した大泉は「今年も全力で(紅組も)応援します」と堂々宣言した。背景には、紅白司会の役割の刷新がある。NHKは今回、1951年の第1回から71回に渡り継承されてきた「総合司会」を廃止。さらに、これまで「紅組司会」「白組司会」と分け、各組を応援する立場だった両司会を「全出場歌手を応援する存在」に統一したのだ。NHKの一坊寺剛チーフプロデューサーは、今回の変更について「これまで『白組に負けないぞ』『紅組に勝つぞ』と対立構造をあおる司会の構造だった。この時代に戦いをあおるのはちょっと違うんじゃないかと思った。紅白に分けつつも、応援して盛り上げる存在であってほしい」と説明。時流に合わせた判断だった。2年連続で司会を務める大泉は、初めて起用された川口をフォローしながら、前例のない難役に挑む格好となった。だが気負ったそぶりは見せず、ゲスト審査員とも軽妙なトークを展開。今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の脚本担当・三谷幸喜氏や妻役として共演する小池栄子が自己紹介で「審査委員長の…」と続けざまにボケると、「審査委員長じゃないですよ」とすかさずツッコんだ。「総合司会」がなくなったことで、司会3人の掛け合いもすっきりし、役割分担もわかりやすくなったように見えた。一方でセリフの数が多くなり、例年以上に負担は増したことだろう。それでも、大泉は得意の福山雅治の物まねで沸かしたり、細川たかしとのデュエットも披露。「盛り上がってますかぁ」と客席に呼びかけ、会場の一体感を生み出した。前日の囲み会見では「こんな楽しいイベントに時間の制限をつけるのは野暮ですよ。あまり時間にとらわれる必要はないんじゃないかと思ってまして」と“タイムオーバー”も辞さない構えを見せていたが、本番では大きな脱線をせずに滞りなく進行。番組は予定通り、23時45分に終了した。NHK側の意図を理解し、「新たな司会像」を体現してみせた。今回の成功を受けて、紅白の司会は今後もこのスタイルを踏襲していくだろう。「進行役」の柱だった総合司会がなくなったことで、「進行役」と「盛り上げ役」の一人二役を担うことになった司会者の資質は、これまで以上に問われることにもなる。出演者らや観客との絶妙なやりとりができ、ユーモアセンスを持ち合わせた上でかまない話術。さらに、秒刻みでタイトな4時間15分のスケジュールをこなすことができる人物は、なかなか見当たらない。今年も大泉が続投するのか、あるいは昨今主流の“お笑い系MC”が抜てきされるのか。“紅白の顔”がより存在感を増す時代に突入した。※引用しました!

