第99回全国高校野球選手権県大会は16日、上毛新聞敷島、高崎城南の2球場で6試合が行われた。この日登場した4シード校のうち、桐生南は初回に大量得点し、逃げ切る形で高崎北を下した。前橋東は15安打を放ち、八回コールドで勝利した。東農大二は序盤に富岡に点を奪われ苦戦。延長十二回にもつれ込んだ末に、サヨナラ勝ちを収めた。一方高崎は、投手陣が打ち込まれ、利根実に3点差で敗戦。3回戦で涙をのんだ。前橋工、前橋商もそれぞれ勝ち、4回戦へ駒を進めた。
【上毛新聞敷島球場】
▽3回戦
高 崎 000 000 010-1
利根実 201 000 10×-4
(高)渡辺、矢島-緒方
(利)宮田-福島
▽本塁打=岩瀬、生方(利)▽二塁打=金子、石田(利)星野(高)
桐生南 600 000 000-6
高崎北 002 000 000-2
(桐)横塚-星野光
(高)小林-村上
▽三塁打=新井裕、横塚(桐)
前橋工 013 100 300-8
高崎商 000 101 002-4
(前)南、岡田、東-奥野
(高)小沢、竹内、永井、小池、山田-坂本
▽三塁打=引田、清水(前)田中(高)▽二塁打=引田(前)樋口(高)
【高崎城南球場】
前橋東 002 500 02-9
渋 川 100 000 00-1
(八回コールド)
(前)稲葉、今泉-市川
(渋)島-松村
▽本塁打=久保田(前)▽二塁打=関口、市川(前)
富 岡 040 000 000 000-4
東農大二 000 012 100 001x-5
(延長十二回)
(富)寺島、山田-鈴木、富岡
(東)経田、菅沢、阿部-大塚
▽三塁打=野村(東)竹井(富)▽二塁打=中島(東)
前橋商 101 500 001-8
桐生工 001 000 000-1
(前)戸谷、唐沢、星野-岩崎
(桐)松村、西田、堀田-田村
▽三塁打=大谷(前)白砂(桐)▽二塁打=森田(桐)
◇
■春コールド負けの前橋工、雪辱果たす
2番打者が打ち上げたフライを三塁手が捕球した瞬間、球場は歓声に包まれた。春の雪辱を果たした前橋工ナインは、満面の笑顔でグラウンドに飛び出した。
今春大会、前橋工は1回戦で高崎商に9点差でコールド負け。力の差を思い知ったチームは沈み、思うようなプレーができなくなっていた。だが、けがで療養していたエース、南が大会前に復帰。主将の帰還にチーム全体がまとまり、5、6月にかけて急速に力を伸ばした。
6月の抽選会で同ブロックになってからは、“打倒・高崎商”を掲げ、死にものぐるいで練習してきた。この日は投手3人の継投で4点差をつけ快勝。六回を投げた南は、自身の記録を2キロ上回る最速137キロをマークした。
上り調子のエースは「今日の勝ちは忘れて次の試合でも全力を出す」と意気込んだ。
◇
■高崎・樺沢亮介主将 「油断した…悔しい」
シード校として迎えた今大会。秋・春と勝ち上がってきただけに、敗戦の衝撃は大きかった。「油断してしまった。悔しい…」。厳しくチームを率いてきた主将は、座り込み号泣した。
入部後、一塁手として、1年秋からレギュラー入りした。だが、初めての夏大会県予選となった昨年は初戦敗退。「お前が代わりにチームを勝たせろ」。引退する上級生から託された思いが、樺沢を成長させた。
新チーム発足後、実戦形式での練習を繰り返した。本番でプレッシャーに負けないよう、ランナーを置いて決してミスできない状況を作る。主将を任されてから、ミスをしたチームメートを厳しく叱るようになった。「嫌われたくなかったから苦しかった」。それでも弱音を飲み込み、チームの勝利のため、先輩との約束のため、心を鬼にした。
努力は結果にあらわれた。迎えた今大会では強豪、桐生第一を乱打戦で圧倒し、初戦を突破。だが、好調で3回戦を迎えたところで、チーム全員の気が緩んだ。初回にエース・渡辺が本塁打2本を浴び2失点。打線は相手投手のキレのいい変化球に翻弄され、ゼロ行進が続いた。樺沢も四、八回に四死球で出塁したものの、長打はかなわず記録は2打数0安打。
「頼りない主将だった」と、後悔をにじませた樺沢だが、大好きな野球は大学で続けるつもりだ。
「将来は野球に携わる仕事につきたい」。声を震わせながらも、次の目標を見据えた。※引用しました!