◆巨人7―2阪神(28日・東京ドーム) 巨人の「近未来打線」が、阪神先発の天敵・能見を3回でKOした。初回に1点を先行されたが、その裏に2試合連続で1番に座った長野が左中間二塁打。これを口火に3点を奪って逆転に成功した。長野は4回にも右中間へ今季初アーチ。新打線の象徴ともいえるリードオフマンが、9連戦の初戦を白星で飾る原動力となった。
確かな感触が手に残った。長野は、完璧な手応えを味わいながら打球を目で追った。22試合目に飛び出した今季1号。G党が待つ右中間スタンドに消えると、駆け足でダイヤモンドを回った。「うれしいですね。しっかりとボールを捉えることができました」と喜びを隠さなかった。
待望の一発は4点リードの4回だ。6日の甲子園で2安打完封負けした能見を3回で引きずり降ろし、2番手・鄭凱文のシュート回転した甘い直球を見逃さなかった。阪神にとどめを刺すには十分な一撃だった。
「近未来打線」の象徴として、今季初めて1番に座った26日のDeNA戦(鹿児島)で3安打2打点。勢いそのままに能見攻略の糸口も作った。原監督は試合後「フォークボールは打つな、と。そういうところですね」と種明かし。1点先取されて迎えた初回、その決め球にたどりつく前に勝負をかけた。内角寄り139キロ直球をたたいて左中間を真っ二つ。先頭で出塁し逆転劇につなげた。
オープン戦は打率2割2分7厘、0本塁打。開幕直後、一度は打率1割台に落ち込んだ。「不振」「重圧」という言葉がつきまとったが「不振じゃないですからね」と笑顔をふりまいてきた。今では打率は3割2分9厘。坂本に次ぐ数字だ。原監督は「そうですか。まだまだ物足りないけどね。へへへ」と冗談交じりに話した。
開幕前、「考えることがたくさんあるので、すごく難しい」と話した1番打者としても、計9打数5安打2四球、出塁率6割3分6厘と、理想の働きだ。勢いがついた打線は、2試合連続2ケタ安打と爆発。原監督は「少しカバーしあうようになった。打撃は全員が全員、成功は難しい。カバーできるようになったのが大きい。カバーされた時というのは、その人間を今度は必ずカバーしますよ。それが相乗効果という形で表れている」。2週間ぶりの本拠地で、9連戦の初戦に快勝。まだ5つの借金が残る今、このまま連勝街道を突っ走るだけだ。
◆近未来打線とは 昨春の沖縄キャンプで原監督が命名したオーダー。2月27日のヤクルトとのオープン戦(沖縄・セルラー)で、1番・長野、2番・脇谷、3番・坂本の若手トリオを上位に並べ、不動の3番だった小笠原を5番に置く新打線を組んだことが始まり。統一球の導入で大量点が期待できないため、序盤にリードを奪って主導権を握ることが重要という原監督の考えだった。近い将来、巨人を背負って立つ長野と坂本で1点を確実に取る狙いも込められている。
◆巨人・長野の第1号本塁打メモ
▼1年目 2010年4月4日の広島戦(マツダ)で4回2死一塁、小松から左翼場外へ130メートル弾。デビューから7試合目、12打席目で放った。
▼2年目 11年4月12日のヤクルトとの開幕戦(宇部)で7回無死一、三塁、押本から左翼へ3ラン。チームにとっても今季1号だった。