その力強い言葉には巨人・原監督の信念と、4番打者への熱い期待が込められていた。夜にメジャー開幕戦を控え、慌ただしい雰囲気が漂う東京ドームでの全体練習。30日に開幕するシーズンの命運を、主将に託す。指揮官は開幕4番について、はっきりと言った。
「(阿部)慎之助でいきます。ある種、慎之助のチームなんだから。大いに暴れてもらいたいし、躍動してもらいたい」
FAで村田を獲得し、助っ人ボウカーも加わった打撃陣。それでも昨年末の段階で「4番・阿部」のプランを掲げていた。しかし「あくまで理想であって、こうなってほしいというものだった。実績だけで食っていけるというような、甘い世界ではないわけだから」。キャンプ、オープン戦では村田、長野らを4番に据えるオーダーも試した。阿部は主将であり、守備の要の捕手でもある。それでも負担の大きさを覚悟した上で、シーズンを戦う決断を下した。
「2012年、ニュージェネレーションだしね。(V奪回を狙う)新しいチームのスタートは重い。4番を慎之助にするのがチームの目的ではない。ただ、こだわりたいという気持ちは強い」。阿部は07年に初めて巨人の第72代4番を任された。昨季は22試合で打率・363、3本塁打、19打点。打率、打点は打順別で最高の数字だった。
栄光の開幕4番指名。阿部は帰り際に「頑張ります」と3度、繰り返した。その短い言葉に、揺るがぬ決意がにじんでいた。