巨人が、開幕戦となる3月30日のヤクルト戦(東京ドーム)の始球式に、ロンドン五輪男子マラソンで代表入りが確実となっている藤原新(30=東京陸協)を起用することが5日、分かった。近日中に正式発表される。藤原は2月26日の東京マラソンで日本歴代7位の2時間7分48秒で日本選手トップの2位に入り、自身初の五輪代表入りを確実にした旬のアスリート。既に開幕戦では国民的アイドルグループ「AKB48」が国歌斉唱を行うことも決まっており、3年ぶりの覇権奪回を目指す巨人のリスタートとなる開幕戦は大きな注目を集めそうだ。
長く、険しい道のりとなる全144試合のペナントレースを戦い抜くチームと、マラソンランナーの姿は相通じるものがある。男子マラソンのロンドン五輪代表の座を確実にした藤原が、東京ドームのマウンドで2012年シーズンの「第1球」を投じる。
3年ぶりのV奪回を目指す巨人。チームにとっての再出発、同時に五輪イヤーとしてふさわしい人選となった。東京マラソンで一躍「シンデレラボーイ」となり、陸上界に新たな風を吹き込んだ藤原は、その破天荒な競技生活でも注目を浴びた。一昨年3月に所属していたJR東日本を退社してプロランナーに転向したが、度重なる故障に見舞われ、昨年11月に所属企業から契約を解除された。その後は貯金を切り崩しながらの「プータローランナー」として競技に打ち込んできた。巨人では、その苦労人ぶりが、若手選手への大きなメッセージにもなると注目。すでに始球式のオファーを出し、内諾を得ている。
過去にも巨人では五輪に絡むアスリートが始球式を務めた例は多い。05年にトリノ五輪出場を目指すフィギュアスケートの安藤美姫、10年にはバンクーバー五輪スピードスケート銀メダリストの長島圭一郎が本拠地開幕戦の始球式を行った。
五輪選手と原監督にも浅からぬ縁がある。10年2月2日には、宮崎で個人合宿を行っていた末続慎吾をキャンプに招待。「何と言っても五輪のメダリスト(北京五輪男子4×100メートルリレー銅)。アスリート同士だし、うちの選手も刺激を受けてほしい」と話した。ロンドン五輪出場が決まっている女子サッカーなでしこジャパンの沢穂希とも面識があるなど、競技の枠を超えて五輪アスリートに尊敬の念を度々口にしてきた。
3年ぶりのV奪回を目指すチームにとって、3月30日の開幕戦は大事な第一歩。世界の頂点を目指してロンドンで駆け抜ける藤原の一球から覇権奪回の旅が始まる。