就活解禁が4月に後ろ倒しになることによって起きること | ギブリー山川雄志の日記

就活解禁が4月に後ろ倒しになることによって起きること

2015年度卒業予定の学生は、就活が大学4年生の4月からスタートになるかもしれないという話題が、新卒採用業界を駆け巡っています。

経団連、就活4月解禁容認へ 正式要請あれば
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS08030_Y3A400C1EA2000/

もともと大学3年生の10月スタートだったものが、2013年度卒業予定対象の新卒採用から12月となったばかりでの、更なる後ろ倒し。
そもそも企業がいつ就活生を採用選考するのかというところに、何かしら法的な縛りはない。
しかし、大学生は学問に集中すべきで、長いこと就活に時間を割くのはよくないことだ。(文部科学省の意見だけど)
ただ、優秀な学生はどの会社も早い段階から青田買いしておきたい。

企業側がそれぞれ勝手に採用活動を行うと、学生の就活時期が伸びてしまうので、経団連に所属する企業たちは
「倫理憲章」という紳士協定みたいなものを持ち、採用プロモーション期間を特定の時期に集中させよう。

と、いうことで多くの会社が一斉に新卒採用を始めるわけですね。

昨今、就活の時期が早まることで学力低下を危惧する文科省が、経団連等の経済団体に採用時期を遅らせるよう動きをとってます。
小泉進次郎自民党青年局長は、留学して帰ってくる大学生の就活が不利になるという意見を発表。
留学生はこれまで卒業時期と企業の採用時期とのギャップで、結果1年就職浪人しないといけないというケースが多かったのは事実です。

でも、実際に解禁を遅らせると、大企業も中小企業もさらに一定の期間内で説明会~面接~内定の選考フローを行う必要があり、
就活生としては、どの企業の選考に進むべきかを慎重に選ばないと、複数の企業の選考に落ちた時に選択肢がなくなっちゃいます。
(いや、選択肢本来もっとあるだろ!という話は置いておいて、一般的な話です)

現在60万人の就活生のうち、12万人が就職浪人になる。
大学5年生というのも、今では普通な感じがしますよね。僕が学生時代のころはそんなにいなかった気がしますし。
就職ができなそうだから大学院に行くというケースも散見されます。


就職浪人や、卒業しても就職できなかった若者の雇用を支援しているのは、経済産業省だったり、厚生労働省。
文部科学省が推進するこの就活解禁に、両省はどういう意見を持っているのか気になるところですね。
未就職卒業者緊急就職サポートなども出てきており、弊社でもそうした人材を定期的に受け入れていますが、
更なる未就職者が出た場合、対応できるキャパシティが企業にないケースもあります。

国としては、雇用支援のために、そうした未就職者を一時的に雇用する企業に助成金を支払うというケースもあるんですが、
重要なのは学生ひとりひとりが、納得いくキャリアにつけるかどうかですよね。


で、もし2015年度から就活解禁が4月ということになったら起きそうなことを考えてみました。


①インターンシップがすごい重要視される
これは就活生にとって、自分自身がやりたいことを考えるための手段として、とても有用。
さらに言えば、実践型インターンでスキルや知識もつけたり、社会人として働くことはどういうことかを知ると良い。
ギブリーでは創業したその日からインターンがいて、これまで歴代130人くらいインターンがいました。
昨日たまたま第一期のインターンが新卒で某大手企業に入社して、挨拶のメッセージが。
ギブリーでの経験を活かして、まずは同期で余裕で一番になりますって書いてあって、すごい嬉しかったです。
インターン生をいつも横で見ていると、人としての成長が甚だしくて羨ましく思いますね。
自分も学生時代、こんなインターンにもっと参加しとけばよかった・・・。
話はそれたけど、3年生の冬もインターンの期間ができるので、是非就活生は参加してもらいたいです。

一方、倫理憲章に抵触しない範囲でインターンを採用する企業も増えるでしょう。
プロモーションができないとはいえ、会社の認知をある程度でも広げなければ、
BtoBの企業など集客が大変になることは目に見えてますし。
現にインターネット企業大手などは、ほとんどがインターンを重視しているし、結果的にインターン経験者の優秀人材を採用しています。
「インターンを採用するリソースがない」という声は多いですが、リソースを割いてでもやった方がいいと思いますし、何より学生のためにもやってほしいと思います。


②学内セミナーがさらに重要視される
求人広告のようにコストがかからない学内のセミナーは、最近参加する企業も増えてきているが、更にニーズが増えることが予測されます。
大学側は、実は倫理憲章に定められた月より前に就活対策のセミナーを開いたりするケースも多いんですよね。実は。
キャリアセンターの意識はまちまちですが、もっとキャリアと言う面での教育に注力するカリキュラムが増えるといいなと思います。
ちなみに我が母校中央大学は、結構しっかりしてる気がします。


③ソーシャルリクルーティングを始める企業がさらに増える
就活解禁前に採用HPを堂々と打ち出す訳にはいかないし、リクナビやマイナビはまだリリースされてないし。でも会社のことは伝えたい。
そういうケースにソーシャルリクルーティングは有用な手段だと注目されそうですね。もちろん、うまく活用できればの話ですが。
人事採用担当者の広報力が問われる時代です。もうここに特化して人事採用担当のスキルアップを図っていいんじゃないでしょうか。

一方就活生にとってはソーシャルメディアを使って情報発信する企業が増える以上、まったく使ってませんというのは情弱と思われても仕方ない。
就活用に自分のアカウントをカスタマイズするのは、あんまりソーシャルではないのでイケてないと思いますが、アンテナを張っておく程度のことはしておいた方が得だと思います。


いずれにせよ、今後の流れに注目ですね。業界人としても、いち社会人としても。