光と 音と 鈴の音 と  〜 プラチナ sai 遊記 〜 -8ページ目

光と 音と 鈴の音 と  〜 プラチナ sai 遊記 〜

2021年の立春、ある出逢いをきっかけに僕らの不思議な旅が始まった。謎は謎を呼び、幾多の試練が立ちはだかる。預言が示す僕らのミッションは過酷で、ゴールは遥か遠くに霞んで見えない。果たして僕らは辿り着けるのか?

 

物語は、これより 

ほぼ フィクションの世界 

へと入って行きます。

 

一部を除き、ほぼ全ての登場人物、

出来事は架空のものです。

 

 

 

 

 

 

媛県  伊予西条駅前

 

 

ホテルの窓から

 

こんなに はっきりと

 

雪化粧の石鎚 を眺められるのは

 

極めて 稀(まれ) な事だった。

 

 

 

しかし

 

 

 

携帯電話で

 

豚さん と話すのは、

 

もっと 稀(まれ) な事だった。

 

 

 

 

その電話が入ったのは

 

 

滞在中のホテルの部屋で

 

2杯目のコーヒーを飲み終わり、

 

 

チェックアウトに向かおうと

 

立ち上がりかけた、

 

 

その時だった。

 

 

 

もしもし、

 

ヒデさんでっか?

 

しょっちゅう揉(も)んでますが・・・

 

 

 

え???

 

しょっちゅう、揉んで・・・・?

 

 

 

あーいや、

 

「チョ」ですねん。

 

ワテの苗字ですねん。

 

 

「チョ」ちゅう者(もん)ですが・・・

 

 

 

 

はあ・・・

 

 

 

 

三蔵姐さん知ってはりますよね。

 

その三蔵姐さんの紹介で 

 

電話させてもろーてます。

 

 

 

 

僕は、やっと飲み込めた。

 

 

あの三蔵姐さんが、なんらかの意図で

 

この「チョ」と名乗る人物に僕を紹介し、

 

連絡先を教えたのだろう。

 

 

 

 

あ、そうなんですね。

 

 

 

そーなんですわ。

 

電話させてもろーたんは、

 

これから会われへんかな?

 

と思ーて。

 

どないですか?

 

10時半ころ、会えまへんか?

 

 

 

 

なんとも 唐突で

 

一方的な電話だった。

 

 

 

 

時計に目をやると、

 

9時52分だった。

 

 

 

「チョ」と言う人物は、

 

もちろん、

 

会ったこともないし、

 

 

ましてや、

 

僕がいま、

 

どこにいるのかも知らないはずだ。

 

 

 

なのに、なぜ?

 

 

 

こんな急に会おうと言い出すのか?

 

そんな急に会えると思っているのか?

 

 

わずか

 

半時間後に・・・笑

 

 

 

とにかく

 

わけがわからなかった。

 

 

 

いや、三蔵姐さんの お知り合いなら

 

こちらも、是非お会いしたいのですが、

 

今、僕は出張先で四国にいます。

 

四国 愛媛の西条なんですよ。

 

なので  また、

 

あらためて・・・

 

 

 

おっ! 西条でっか?

 

ちょうどええやん。

 

こっちも、今、

 

今治から東に向かってますねん。

 

ここからやと・・・

 

せやね、やっぱ20分後くらいに

 

近く通りますわ。

 

西条で会いましょか?

 

 

 

 

あ、でも

 

 

 

 

今、西条のどこですのん?

 

 

 

 

伊予西条駅前のホテルです。

 

 

 

 

おっ!

 

ますます ちょうどええやん。

 

ほな、10時半に

 

伊予西条駅から駅前通を北に行ってもろて、

 

ドン突きを 東へ、

 

ルートイン過ぎて、

 

ハタダ栗タルトの並びにある

 

マクドでどーですか?

 

 

そーしましょ、

 

10時半に 産業道路沿いのマクド、

 

どうでっか?

 

 

 

あ・・・

 

は、はい。わかりました。

 

その時間なら 行けると思います。

 

 

 

 

僕は 

 

そう答えるしかなかった。

 

 

 

何という強引さ。

 

 

 

でも、何故か

 

イヤな気はしなかった。

 

 

 

それに、その日は

 

 

午後に今治で知人に会う予定があるだけで

 

 

時間的な余裕は

 

充分にあった。

 

 

 

 

すんませんな。

 

よろしゅうたのんます!

 

ほな、待ってます。

 

マクドでっせ。

 

マックちゃいますよ。

 

間違えて マック行かんといてな。

 

マクドで待ってますー。

 

 

 

 

わかりました。

 

では、後ほど。

 

 

 

電話を切った後、

 

僕は なんとも

 

不思議な想いを感じていた。

 

 

 

「チョ」という不思議な名の

 

電話の主は いったい何者なんだろう?

 

 

 

そして、何より

 

 

 

彼の このタイミングの良さは

 

いったい何なんだろう?

 

 

 

今、どこにいて、どんな状況かもわからない

 

しかも、

 

面識さえない相手に 電話しておいて、

 

30分後に会おうと言う提案、

 

 

 

いったいどんな思考回路を経れば

 

そんな事ができるんだろう?

 

 

 

まるで、僕の居場所を

 

すでに知っていて、

 

 

会える事をすでに確信していたような

 

話の進め方だった。

 

 

 

僕が近くにいる事を

 

彼は何らかの方法で察知し、

 

 

今の自分の居場所との距離感を

 

把握した上で、

 

待ち合わせ時間を指定してきたんだろうか?

 

 

 

いや、

 

 

 

そんな事は、

 

 

絶対に 不可能なはずなのだ。

 

 

 

少なくとも、

 

今の僕の常識の中では・・・

 

 

 

日本は

 

小さな島国とはいえ

 

人間の移動能力を考えれば

 

意外と広いのだ。

 

 

 

居場所さえ定かではない相手に

 

電話して、30分後に会える確率は

 

ほぼ、0 に等しいはずだ。

 

 

 

だったら

 

何なんだ?

 

 

この展開は?

 

 

 

 

奇跡に近い偶然か?

 

 

それとも、

 

 

僕の 未だ知らない 

 

なんらかの理由 に基づく

 

 

必然 なのか?

 

 

 

ホテルの駐車場で

 

車に乗り込む僕の胸は

 

 

思いの外、高鳴っていた。

 

 

 

 

 

 

 

第12章 「豚と河童」へ続く     

 

 

最後まで読んでくださって、ありがとうございます💗