あーっ、
こんなに喋ったの、
何か久しぶりやわ。
破顔一笑、
サゴちゃんは眩しい笑顔で言った。
ホンマや!
ワイかて、こんな長い事
喋らんかったの久しぶりや!
携帯から目を離し、
ハチやんも、
同じように笑った。
サゴちゃん、続き聞かせて。
話の続きを聞きたくて
身を乗り出す僕を制したのは
ハチやんの方だった。
ヒデ坊、ちょっと待ったって。
サゴちゃん、そろそろ
vuvu塗っといた方がええんちゃうか?
せやな、
ちょっとトイレ行ってくるわ。
サゴちゃんは 立ち上がった。
トイレに向かうサゴちゃんの
後ろ姿を見送りながら、
ハチやんは
僕に耳打ちした。
サゴちゃんな、
カンソウサラ やねん。
乾燥サラ?
せやねん。
乾燥皿 や。
サゴちゃん、
普通の河童より
頭の皿が乾燥しやすい
乾燥皿体質らしいねん。
せやから
vuvuのプラチナエッセンスは
手放せんみたいやで。
ワイも 豚足荒れ ひどい時は
vuvuに えろう助けられとるがな。
ところで、ヒデ坊は
プラチナコロイド使いだして
何か変化あったか?
そうですね、
体調面では、
あまりわからないけど・・・
行動パターンや
思考パターンが
かなり変わったかな。
行動パターン?
思考パターン?
どんな風に変わったん?
うーん、なんか
上手く言えないんだけど、
以前より
何も考えずに行動する事が増えたかな?
アホになったんちゃうか?笑
ええ、アホになったみたいです。笑
以前は、
もっと考えて行動してた
気がするんですよ。
これをしたらどうなるのか?
とか
何のために それをするのか?
みたいに、
常に 考えてから
行動してた気がします。
そうしないと怖い
みたいな感覚もありました。
それ、ホンマに
プラチナのせいなんかいな?
多分、そう思います。
あ、いや
すそいおん との
相乗効果かも知れませんけど。
アホになったらあかんがな。
いや、
そのアホが、
何というか
心地いいんです。
物事の展開や流れが
ずいぶん
スムーズになった気がして
なんか、
全てが上手く行ってるような
気がするんです。
例えば、
訳もなく、誰かに
思いつきで電話したとします。
ホントに
気まぐれな思い付きなので、
用件も何もないんだけど、
そうすると、なぜか
相手に感謝されたり、
相手から、まさにその時
必要な情報をもらえたり・・・
それだけなら、
よくあるシンクロニシティの類い
で片付けるんだけど、
思い付きや
直観のままに行動した方が
後で、
あん時 ああしたのは
ホントに正解だったな。
と、答え合わせできる事が
以前より格段に
増えた気がします。
「あん時、
何であんな事したのかな?」
と後悔する事は ほとんどなくて、
あー、この為に
あん時、あんな事したんだな!
って、
自分の直観に感心する事が
めっちゃ増えたんです。
saiちゃんを飲み始めて
すそいおん を言い始めて
とても はっきり解る
自覚症状は それだと思います。
今じゃ、
自分の直観を すごく
信頼できるようになったし、
直観に基づいて行動する事が
我ながら、
ずいぶん
上手になったと思います。
それに・・・
まだあるんかいな。
それに、
自分の行動の結果に
納得できるし、
責任持てる気がするので
どんな状況になっても
不平不満や
後悔 を感じる事が
ほとんど無くなりました。
わずか半年足らずで・・・
自分の変化に
我ながら驚いています。
ヘェ〜〜!
そらすごいな。
人間が飲むと、
そうなるねんな。
ハチやんは手に、
いや 豚足 に
vu vuのエッセンスを塗りながら
しおらしく感心している。
ヒデ坊!
それ、五次元意識が芽生えたんとちゃうか?
トイレから帰って来たサゴちゃんが
腰掛けながら言った。
ま、五次元意識言うたら
大袈裟かも知れんけど、
少なくとも、
人間特有の時間の流れ方と違う感覚
が芽生えとる思うで。
さっき俺がストローで説明したやろ?
時間軸を表すストローが、
五次元方向にズラっと
何本も並んどる五次元の景色が、
未来が一本の線の先やのうて、
広い面の向こうに拡がって
見え出しとるちゃうか?
確かに、
サゴちゃんの言う
横に拡がる何本ものストロー
を見渡す意識。
そんな感じの意識は 僕の中で
育ちつつあるような気はする。
「今、ここ」から
直線的にではなく
放射状に拡がる未来の景色が
同時に
いくつも見渡せる気がする。
その内のどれを選択しても
不都合は起こらないような
妙な安心感があるのだ。
ちょっと不思議な感覚なので、
的確に表現するのは難しいが、
以前は
細い一本のストローの中を
未来に向けて進んでいて
そのストローから外れるような
想定外の出来事 に不安を感じ
それに対して
過剰に拒否反応を起こす・・・
そんな狭苦しくて
息苦しい感覚
で 生きていた気がする。
そんな狭苦しい感覚から
解放されて
道幅が無限大の 大きな道を
ゆったりと歩いてる・・・
端っこでも、真ん中でも
どこを歩いても大丈夫!
そんな 感覚なのだ。
老子が言った 道(TAO)とは
まさに
こんな感覚なのだろうか?
「何があっても大丈夫!」
「いい事しか起こらない!」
「過去も全て必然。」
「捉え方一つで
過去も未来もどうにでも変えられる。」
・・・そんな 一見
きれい事のように思われる
スピリチュアル系お決まりのフレーズ が、
しっかりとしたリアリティーを持って
確信されてくるのだ。
小賢しい推測や執着を捨て、
安心して
良質の直観に従っていれば
悪い事は起こらないのだ!
神様は、きっと
悪い様にはしないのだ!
・・・そういった感覚を
saiちゃん や
すそいおん の言葉が
育ててくれてるような気がして
ならないのだ。
でも、なぜ?
そんな変化を
プラチナが
もたらしてくれるんだろう?
僕は、サゴちゃんに
率直に聞いてみた。
サゴちゃん、
プラチナには、こんな心理的変化を
もたらす作用があるのかな?
サゴちゃんは即答した。
そら、あるやろ!
さっき言うたやん。
五次元意識を獲得する為の
四つの方法の筆頭やんか。
丹下段平が あしたのジョー に伝えた、
「明日の為のその1」や。
だったら一体、
どんなメカニズムが働いてんのかな?
ヒデ坊、ジブン
かなり面倒くさい奴っちゃなあ。
ハチやんが、話に割り込んできた。
理由は分からんでもええやん。
効果あるんやったら、
黙って使うとったらええねん。
携帯電話もそうやけど、
今の人間には、
仕組みも分からず、
便利やから使うとるテクノロジーが
いっぱいあるやんか。
ハチやんの、
面倒くさそうな語調にもひるまず、
僕は食い下がってみた。
ヒントだけでも教えてーな。
関西弁で尋ねる。
きっしょい関西弁使わんでええねん。
まさか、こんな話しになる思わんかったわ。
あんな、ヒデ坊、
さっきもろた名刺に書いとったけど、
ジブン、タロットも使うんやろ?
うん、タロットカードは商売道具です。
ほんなら聞くけど、
タロットカードって何枚ある?
78枚です。
せやな、
ほんなら、その内の
大アルカナのガードは何枚や?
22枚です。
二つの数を足したら?
100。
せや、せや。
ヒデ坊、「78:22 の法則」ちゅうの
知っとるか?
えっ?
80:20の法則 じゃなくて?
経済学の世界には、
「売り上げの80%は
20%の顧客が作る」
「仕事の成果の80%は、
仕事に関わった時間全体の
20%の時間で達成される。」
などの パレートの法則
と呼ばれるものが存在する。
ジブン、アバウトな奴っちゃなー。
正確には 78:22 やねんで。
ユダヤ5000年の歴史に伝わる
聖なる比率や。
ヘェ〜!
知らなかった。
ジブン、そんなんで
よう タロットやっとんなー。
ま、ええけど。
78:22 の比率は色んなところにあるんや。
空気中の 窒素:酸素他 は78:22
ジブンら人間の体内水分比は78%
正方形に内接する円の面積と
それ以外の部分の面積比は
ドンピシャ 78:22 や。
なるほど
僕が今まで 80:20 と覚えていた法則とは
正解には 78:22の法則 だったのだ。
ま、この78という数字がいかに重要で、
宇宙の法則と共鳴しとるか?
っちゅうことやな。
恥ずかしながら
今まで僕は、
自分が毎日仕事で使う
タロットカードの総数、78を
そんな視点で考えた事は
なかったのだ。
さらに、聞くで、ヒデ坊
その 78を原子番号にもつ金属 は
何ですか?
ハチやんは 気取って聞いて来た。
あ、そうだった!
プラチナ!
それやねん。
プラチナの原子番号78こそ、
宇宙と共鳴する聖なる数やねん。
それに原子番号ちゅうのは
出席番号みたいテキトーにつけた
番号やのうて、
物質の持っとる
あるモノの数に基づいてつけられとるんや。
何の数か解るか?
たしか、、、
陽子の数だったかな。
正解や!
陽子の数や。
同時に
電子の数でもあるわな。
プラチナコロイドが
人間に精神的な変容をもたらすんは、
多分、
78個の陽子や電子が
宇宙との共鳴場を作るんやないかと、
今 思いついたんや。
えっ!?
い、今思いついた!?
ずいぶんいい加減な話だ。
ハチやんは、いかにも威厳たっぷりに、
クソ真面目な顔をして、
単なる思い付きを
仰々しく語っていたのだ。
ハチやんは笑いながら、
話を続ける。
ま、夢があってええやんか。
おかげで、
ヒデ坊との待ち合わせ場所を
ここにしようと思いついた訳が
今わかったわ。
どういう事?
ワイはヒデ坊に
78の数を語る為に
このマクドナルドを待ち合わせ場所に
指定したんやと 今気づいたんや。
???
まさに、マクドナルドこそ
この話をするには
うってつけの場所やったんや。
やっぱり、
ガスト や ジョイフル やったら
あかんかったんや。
ハチやんは、
感無量と言った顔で、
しきりに1人うなずきながら悦にいっている。
ハチやん、
全く訳分からんけど・・・
あんな、ヒデ坊、
日本マクドの創業者、
誰か知っとるか?
もちろん!
藤田 田 (ふじた でん)さん でしょ?
そうや!
その藤田田はんが、
経営に取り入れとったんが
ユダヤ商法。
その中でも特に多用しとったんが
ユダヤ5000年の知恵、
78:22の法則 なんや。
昔、マクドに 39(サンキュー)セット
いうんがあったやんな。
あれこそ、まさに
その象徴や!
500玉払うて
390円なら
110円のお釣りが来る。
払うた390円と
お釣りの110円の比は
78:22 や!
客は、宇宙と共鳴するほどの
満足感を得る!
ハチやんは得意満面で話し続けるが、
僕は話し半分で聞いていた。
どこまでが真実で
どこまでが冗談めいた思い付きなのか?
正直、分からないのだ。
多分、人間と違って
プラチナに頼らなくても
すでに高次元意識を獲得している
彼らにとっては、
冗談のネタ程度の重要度しかない
テーマなんだろう。
しかし、
プラチナを構成する陽子、
もしくは電子の数が
78個である事によって、
宇宙との間に何らかの共鳴現象を起こす
という仮説は
なかなか夢があって
チャーミングな仮説だとは思った。
宇宙との共鳴 とか
5次元意識の獲得 とかは
大袈裟としても、
プラチナの持つ 78という数は、
少なくとも、
僕らの 精神や意識に
宇宙のリズムに乗った心地よい調和
をもたらしてくれる数なのかもしれない。
そんなプラチナを摂る事で、僕らは
宇宙の法則に沿った
本来のバランスを取り戻す事が
出来るかも知れないのだ。
僕は、ふと
クロスロード博士の説明を思い出した。
プラチナコロイドのsaiちゃん は
二つの用途特許を取得している。
その内容について
興味を持った事を
思い出したのだ。
クロスロード博士の話によれば、
saiちゃん は
面白い項目で
用途特許をとっているのだ。
一つ目は、11ヶ国で特許取得している
「精神症状の治療または予防に関する用途特許」
そして、二つ目は
「不妊治療に関する用途特許」
この2つの特許項目に
僕は当初、違和感を覚えたのだった。
今でもそうだが、
プラチナコロイド saiちゃんの持ち味は
なんと言っても その
「持続する 驚異的な 抗酸化・還元力」
だと思っている。
なので、
用途特許も、当然
それに由来する項目で
取りそうなものだ。
でも、実際の用途特許は違うのだ。
医学的、薬学的というよりは、
自律神経 や ホルモンバランス に対する
ホリスティックな調整機能を匂わせる、
いわば、東洋医学的なアプローチを
感じてしまうのだ。
還元作用や、消炎作用のみならず、
神経系統 や
精神状態にさえも作用する
saiちゃんの 何という
マルチタレントぶり!
それを 考えると
プラチナコロイドを摂る事によって
「意識が変容」するという可能性も
否定出来ない気もする。
何や!ヒデ坊。
saiちゃん と すそいおん
のおかげで、
5次元意識に目覚め出しとるんやないか!
サゴちゃんは 再び
同じ言葉を繰り返した。
5次元意識・・・・
そう表現すると、
何やら未来的な
ハイカラな感じだが・・・
これって、もしかして
僕らが すでによく知っている
あの感覚じゃ無いのかな?
ふと、そう思った。
よく知っている あの感覚とは
例えば
禅者が言う
「絶対安心の境地」
「心身脱落」
剣の達人が云う
「無念無想の境地」
「居着かぬ心」
要は、
僕らが 普段縛られがちな
固定化された
観念、思考、習慣、経験論、反応パターン・・・
そんなものから解放された、
そんなものを超越した
「境地」とか
「悟り」と呼ばれるもの。
五次元意識とは
それらと ほぼ
同義なんじゃないか?
なんだか 僕は
そんな気がしてきた。
それがもし
正しいとするなら、
saiちゃん や
すそいおん は
本来なら
気の遠くなるような時間と
血の滲むような修練の果てに
得られると云う
あの境地を
いとも容易く もたらしてくれる
「神仙の妙薬」
と言ってもいいのではないのか!?
またしても爆上がりするテンションに
ヒートアップ気味の 僕の頭の上から
サゴちゃんの ハスキーボイスが響いた。
ヒデ坊!
俺ら、そろそろ行くわ!
突然だった。
いやん!
行かないで❣️
男の僕でも、
そう言って 身をくねらせ、
すがりつきたくなるような
男前な仕草で
サゴちゃんは立ち上がった。
続いて
ハチやんも立ち上がる。
8ラウンド目のゴングと共に
コーナーの椅子から立ち上がる
ヘビー級のボクサーのような風情だ。
豚 とは
そして
河童 とは
こうも 突然
帰るものなのか!
僕は 改めて
種の違い というものを感じていた。
ヒデ坊、また会おうな。
ハチやんは大きな右手を差し出した。
僕は生まれて初めて
豚足と
握手した。
続いて
握手を交わしながら
サゴちゃんも笑顔で言った。
またな! ヒデ坊。
話の続き、また今度な。
そして
何やらゴソゴソとポケットから取り出し
僕に手渡してくれた。
それまで、宿題や!
これ見て考えといて。
サゴちゃんが手渡してくれたのは
ラミネートされた
名刺サイズのカードだった。
表には
パステルカラーの
かわいい河童のイラスト。
下には小さく
河童 はなみじゅ君
ハヤタ画伯作
(ハヤタ画伯の承認のもとに制作しました。)
と印刷されていた。
そして 裏面には
「古池や 河童飛び込む 水の音」
(サゴちゃんへ 芸人 バショウより)
と書かれた筆文字が
伸びやかに踊っていた。
第17章 「呪術廻戦の終結」へ続く
最後まで読んでくださって
ありがとうございます❣️



