フリーランスとしてIT関係の仕事をしている人は、確定申告をする時に白色申告か青色申告かを選ぶ必要があります。では、白色申告がよい人とはどんな人でしょうか。

白色申告は手続きが簡単であるため、経営や財務の知識があまりない人に向いています。具体的には、副業で少しだけ収入がある人や、フリーランスとしての活動を始めたばかりでまだ収入が安定していない人です。また、年間の収入が少なく、節税対策を講じる必要があまりない人も、手間をかけずに申告が済ますことができる白色申告が適しています。

白色申告の最大の特徴は、そのシンプルさにあります。複雑な帳簿の作成や特別な知識が不要で、必要な書類も少なくて済みます。そのため、時間や労力を節約したい人にとっては大きなメリットです。
しかし、白色申告では控除額が青色申告に比べて少ないため、収入が多くなると青色申告の方が税金の節約ができる場合があります。ですから、事業での収入が年によって変動するフリーランスの方は、自分の収入状況をよく把握し、どの申告方法が自分に合っているかを判断することが重要です。

もし、事務作業を極力減らし、シンプルに事業を運営したいと考えているなら、白色申告が向いています。起業初期の段階で事業を大きく成長させるための時間やエネルギーを確保したい人にとって、簡単な手続きは非常に助かります。
一方で、事業が軌道に乗り、収入が増えてきたら、税制面でのメリットをフルに活用できる青色申告への切り替えも検討する価値があります。

総じて言えば、白色申告は事業の規模が小さく、記帳や節税のための複雑な手続きを避けたいフリーランスの方におすすめです。自分の事業や収入、または節税に対するニーズを考えて、最適な選択をすることが大切です。

IT関連の仕事を個人で引き受ける際に必要となるのが、確定申告です。副業の場合は年間20万円以上、フリーランスの場合は48万円以上の事業所得が発生した時点で確定申告を行う義務が発生します。

実際に確定申告を行う前に、知っておきたいことが青色申告と白色申告の違いです。青色申告を行うためには、所轄税務署長に対し開業届と青色申告承認申請書を提出しておく必要があります。提出をせず、確定申告をした場合は、白色申告という扱いになります。開業届を出さなくても、フリーランスとしてIT関連の仕事を引き受け、申告をすることは可能です。
ただ、収入が増えてくると青色申告を選ぶ方が、税金面でのメリットが大きくなります。

青色申告の特徴は、最高65万円までの青色申告特別控除を受けられることです。ただ、控除を受けるためには現金出納帳だけでなく、売掛帳や買掛帳などを使った複式簿記を行う必要がある上、申告時には決算書の添付も求められます。帳簿作成の手間がかかりますが、会計ソフトなどを使えば、初心者でも無理なく複式簿記を行うことが可能です。

もう一つ、青色申告を選ぶメリットが青色事業専従者給与を使えることです。親族や配偶者に仕事を手伝って貰った場合に支払った給与を、必要経費として落とすことでより高い節税効果を期待できます。
これらの控除は、白色申告では受けることができないものです。白色申告と青色申告は必要に応じて切り替えができるようになっているため、所得が増えてから青色申告を選ぶという形も選べます。
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