※中期中絶について書いています。ご不快になられる可能性もあるのでお読み頂く場合はご理解の上お進みください。



朝準備を早めに済ませたら、いよいよ納棺をする。
最後にもう一度2人で交代しながら赤ちゃんを抱っこした。ぎゅっと抱きしめ、キスをして、肌着を一度ほどいて身体も目に焼き付けて心残りがないようにできたらと思った。


折り紙とお手紙(夫と私それぞれ書いたものと、朝2人でもう1通書いたもの)に食べ物は苺を添えた。
折り紙は動物や手裏剣、桜の花びら、四葉のクローバー。夫も沢山折ってくれた。
お花は桜並木に落ちていた桜の小枝を入れた。
小さな棺は色とりどりでにぎやかになった、これなら寂しくないかな?
(お骨を残すには燃えやすいものをとネットで見ていたので紙製の棺に入れるものも極力紙メインにした。)

風呂敷で包んで棺を持ち上げると、思いの外軽い。
この数日はずっとドライアイスや保冷剤を入れていたので、こんなに軽いのだと思うと改めて悲しみが増した。


少し早めに出発して、回り道して桜の綺麗なところを巡ってから火葬場に向かった。
退院してからずっとお天気で、桜は赤ちゃんを待っていたかのように満開となり私達を楽しませてくれた。
朝いちの時間帯は一組のみのようで、出迎えてくれた係の方に連れられてすぐに火葬する部屋に入る。ずっと涙が止まらないまま、最後にもう一度顔を見せてもらってお焼香する。眠るようなかわいらしい顔にそっと触れた。


火葬炉に入っていくのをお見送りして、待合室で待機した。待合室は2人で使うのが申し訳ない位広い。

係の方が優しく、お骨が残るよう慎重に行うことと、50分前後かかる予定と教えてくれる。


予定通りの時間に案内されて収骨を行う。
最初は目を凝らさないとわからなかったが、骨がしっかりしていたのか思っていたよりお骨があった。
大腿骨は妊婦健診のエコーでみた時のしっかりした足を思い出させた。
夫が発見し驚いたのは手の骨で、最後に指を揃えて胸の前で綺麗に手を載せていたのでしっかり残ったのかもしれない。
最後まで本当に親孝行な子だと思った。
頭の部分は拾いにくくほうきで集めて紙に乗せる。

2寸の骨壺は手のひらにおさまるほど小さくて、お骨は沢山拾えたがその中を持て余すほどだった。でもこれだけ残っているのもすごいと褒めてもらった。

大事に家に連れて帰った。