<STAGE 02:廃墟ステージ>
・ミソシルギャラクシーファイト
フェーズ2
第十一話「届かない声」
<前回>
常夏ビーチの戦いはアメブロブンドドチームの勝利で幕を閉じた。
そして新たなステージで新たな戦いが始まろうとしていた。
ウィンテル「ここが俺達のステージか…。」
W真姫「何か殺風景な所ね。」
Wリーネ「まるで…戦争の後みたいな…。」
ウィンテル「さて、ヒーロー軍団からのうちへの援軍は君か…。」
?「はい!」
ウィンテル「よろしくな、アスナちゃん。」
Hアスナ「こちらこそ、よろしくお願いします。」
W真姫「そういえばアスナさん、私達より年上なのよね。」
Wリーネ「そうなんだ。」
<チーム2:ウィンテル、W真姫、Wリーネ、Hアスナ>
Hアスナ「アッガイ君は自分がいた世界に強い憎しみを抱いて悪の道に堕ちました…でも、だからこそ同じ世界の出身である私が彼女を助けたいんです。あの世界には、優しさも、希望もあるって伝えたいから…アッガイ君のこと、ちゃんと大切に思っている人がいるって教えたいから!」
Wリーネ「アスナさん…絶対に…絶対にアッガイ君のこと助けましょうね!」
W真姫「今回はおふざけなし…ってことね。」
ドゴォォォン!
ウィンテル「あっちか!」
シュバッ!
シュババッ!
アッガイ「はぁーっ!」(シュバババッ!)
「「「マッドアングラー隊!見参!!!」」」
ちゅど~ん!!!
あれ?これおもてたんとちがうな…。
W真姫「ねぇアスナさん…アッガイ君って、普段からああなの?」
Hアスナ「うん、大体あんな感じ。」
W真姫「ヴェェ…。」
Hアスナ「アッガイ君…ううん、キスノ・セッカちゃん!」
アッガイ「アスナさん。」
Hアスナ「セッカちゃん…今度こそ、迎えに来たよ。一緒に行こう?」
アッガイ「意外ですね、その話ならもう説得の段階は終わって戦うしかないという状況だと思ってました。」
ゴッグ「それにアッガイ君には今俺達がついてるんだ!今まで見捨てておいて今更都合よく近づくな!」
シャアズゴック「そういうことだ、残念だがな。」
W真姫「都合がいいのはどっちかしら?本当の仲間なら間違った道に進もうとしているのを全力で止めようとすると思うけど?」
Wリーネ「セッカちゃんにこれ以上手を汚させないで!彼女は太陽の下で生きていくべきだよ!」
アッガイ「口先だけでボクの人生を好き勝手出来ると思うとは…いくらアスナさんでも少しナメ過ぎじゃないですかね…!?」
ウィンテル「アッガイ君、いやセッカちゃんか。俺からもいいかな?」
アッガイ「貴方は…確か超人課の課長の…。」
ウィンテル「プラチナヤッホー、ウィンテルさんだよん。」(ポチポチ)
ウィンテル「俺達超人課は悪い超人はやっつけるが、いい超人はたとえ何者で、どんな罪を背負っているとしても全力で助ける。
聞いた話じゃ、君は人のためにどこまでも頑張れる優しい子らしいな。…だから、君が望むなら俺達は君を救うために全力を尽くす。
…とはいえ、ほぼほぼ他人の俺なんかにあれこれ言われてもあんまり刺さんないよな。
だから…。」(ポチッ)
???『セッカちゃん!』
アッガイ「その声…まさか…風音ちゃん!?」
風音『そうだよ…久しぶりだね、セッカちゃん。』
Hアスナ「あの…風音ちゃんって言うのは?」
ウィンテル「北原風音…結構前に俺達の世界で暴れた子供のドーパントでね、色々あって今では施設で保護されてる。
何か、別世界の存在のはずのセッカちゃんとネットで知り合ったって話なんだよ。」
Hアスナ「セッカちゃんが言っていた「同じ境遇の友達」ってもしかして…。」
アッガイ「…風音ちゃん、元気してる?」
風音『うん、今は焔叢と一緒に暮らしてる。そこにいるウィンテルさん達に負けて、助けてもらって、今は犯した罪を償えるように頑張ってる。』
アッガイ「…そっか…よかったね…本当に…。」
ウィンテル「…友達の無事を聞いて、本気で安心してるんだな。」
Hアスナ「ええ…本当に、本当に優しい子なんです、セッカちゃんは。」
風音『…セッカちゃん。もうやめよう?誰かを憎んで、怒って生きていくのは。
最初は強くなった気がして、いい気持ちになるかもしれないけど…それでも、やっぱり辛くて、苦しくて、奪ってしまったものは大きくて…セッカちゃんにはこんな思いはしてほしくないよ…。』
風音『貴方にもいるんでしょ?貴方のことを本気で助けようと思ってくれる人が。貴方のことを守るために戦ってくれる人が。』
風音『この人達が教えてくれたんだ。自分の思った通りに生きていいんだって。悲しみや苦しみにいつまでも囚われる必要なんてないんだって。だから今の私があるんだ。』
ゴッグ「と…友達…だ…大丈夫かなアッガイ君…。」
シャアズゴック「決めるのはアッガイ君だ。」
ウィンテル「セッカちゃん…君のことを想っている人がこんなにもいるんだ。君は幸せ者だぞ?
俺達だってそうさ。アスナちゃんや風音から君の話を聞いて、君のことを本気で守りたいと、救いたいと思っている。
戻って来いよ。アスナちゃんや、風音のためにさ…。」
アッガイ「…風音ちゃん。ずっと…ずっと君達兄妹に言いたいことがあったんだ…。」
風音『え?』
アッガイ「君達には才能がない。」
風音『何を…言ってるの…?』
アッガイ「君達兄妹には「復讐の才能」がない。一時の激情で誰かを傷つけることは出来ても、それ以上人を憎み続けることが出来ない。
そして…人を傷つける事、殺す事、その罪の意識からいつまでも逃れることは出来ない。
君達は、本当はとても優しい子だから。」
風音『セッカちゃん…!!!』
アッガイ「それに、ボクのことを救うと皆さん言っていますが、そこには致命的な問題があります。」
ウィンテル「致命的な問題?」
Hアスナ「それは何!?」
アッガイ「ボクを救うということは…当然皆さんはボクと戦えば勝てるぐらい強いってことですよね?」
ウィンテル「何をう。」
Hアスナ「セッカちゃん!」
アッガイ「あれこれ言うんなら…まずはその強さを見せるのが先じゃないんですか?」
風音『…セッカちゃん…この人達は強いよ…本当に強い。でも、それは私達が手にしたような力の強さだけじゃない。
ここにいる人達は貴方を救うためなら最後まで絶対に諦めない。
その心の強さは、ただの力じゃ絶対に倒せないよ。』
アッガイ「…そんなに強いんですか…ふぅん…。
じゃあ、
超アッガイを超えた超アッガイをもう一つ超えてみますか…。」
この時の様子を冬王町の西木野真姫はこう語っている。
この瞬間、確かにシリアスが死ぬ音を聞いた…と。
ウィンテル「超アッガイを超えた超アッガイを…さらに超えた!?」
風音『千年に一人現れる破壊と殺戮を好む最強の戦士…セッカちゃんがそうだって言うの!?』
W真姫「何で知ってんのよ…てかあんたもボケるの北原風音!?」
アッガイ「そうか、風音ちゃんは別の世界の人だから知らないんだね。
ボクもなれるんだよ、伝説の超アッガイを超えた存在にね。」
W真姫「「も」って何よ。他にもいるの?」
アッガイ「そうだ、折角ですし皆さんにわかりやすく超アッガイのことを説明しますね。」
W真姫「余計なお世話よ。そんなイミワカンナイ事知りたくもないわ。」
ボウッ!
アッガイ「これが超(スーパー)アッガイ。」
アッガイ「これが超(スーパー)アッガイを超えた超アッガイ…超(スーパー)アッガイ2ってとこですかね。」
Wリーネ「そこ超(ハイパー)アッガイじゃないんだね。」
アッガイ「そして…これが…!」
ウィンテル「ハ…ハッタリだろセッカちゃん…そ…その上があるなんて…!」
W真姫「何であんたはそっち側のリアクションなのよ。」
アッガイ「さ…さらにそれを超えた…!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!
「ぐ…ぐ…ぐががが…がああああ…!
ああああ…!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!
Hアスナ「うぅっ…!」
ウィンテル「この…力は…!」
ビッ…ビビ…バチバチ…
Wリーネ「…真姫ちゃん。」(ヒソヒソ)
W真姫「何?」(ヒソヒソ)
Wリーネ「あんまり変わってないよね?」(ヒソヒソ)
W真姫「よかった、そう思ってたのあたしだけじゃなくて。」(ヒソヒソ)
Hアスナ「違いますよーっ!」
ウィンテル「これだから素人は駄目だ!もっとよく見ろ!」
W真姫「だから何であんたがそっち側なのよ…!」
ウィンテル「これが普通の状態だ。」
ウィンテル「超アッガイ。金髪になったな。」
W真姫「髪の毛どこよ!?」
ウィンテル「超アッガイ2。元々短髪だからあんまり変わらないな。」
W真姫「髪型とかあんの!?あの頭で!?」
ウィンテル「で、超(ハイパー)アッガイ。髪が伸びて眉毛が無くなって悪人顔になったな。」
W真姫「もうどこからツッコめばいいかわかんないんだけど!?」
アッガイ「うぅ…悪人顔は気にしてたのに…。」
ゴッグ「ま…眉毛なくてもアッガイ君は可愛いぜ!?」
シャアズゴック「デリカシーの欠片もないな。」
ウィンテル「何コレ俺のせい?」
Hアスナ「今のは酷いですウィンテルさん!」
Wリーネ「乙女心無視し過ぎ!」
W真姫「サイテー。」
風音『課長さん犬のフン踏んづければいい。』
ウィンテル「そこまで言うか…。」
風音『…セッカちゃんを止めてあげて…私達を止めてくれた時のように…道を示して!』
ウィンテル「よーし…わからせたるか、あのガキんちょ。」
Hアスナ「セッカちゃん…絶対に取り戻す!」
Wリーネ「超人課、出撃します!」
W真姫「やっとバトルね…。」