この本は、ソフトウェア技術者の生産性を上げるにはどうすれば良いのか、をまとめた本だ。
昨今ではプロジェクトマネジメントや生産管理の技法が成熟化してきている。また、特にアイデアや
集中力が求められる知的生産者にとっては、作業効率を高めるのみの手法や、監視強化するのみの
手法では、うまく生産性を上げることができないのではないのか、というのが主張なようだ。
著者である、デマルコとリスターは、ソフトウェア技術者に対して性善説に立ち、技術者としての矜持を
持たせることでやる気を引き出させることが、小手先の管理手法よりも重要だと考えている。
具体的には、
・オフィスで個人が集中可能な環境を用意すること (ある程度のプライベートで静かな空間の確保や)
・実際のアウトプットを見て採用をチームみんなで行い、退職しないように社員全員の生活を尊重すること
・各チームの個性や文化を尊重し、リーダーは前からではなく後ろから支えるようにすること
・当事者意識を持てるような組織文化を作ること(不必要な人を会議に呼んだり、メール投げたりしない)
といったところを挙げている。
各種IPAの情報試験で区分されるような内容ではないが、経営手法に近いような内容だと思う。
ソフトウェアファーストな考え方が認知され始めているが、それらの企業は上記のようなことを
重要視すべきだろうと思う。
私はある企業のシステム子会社に属しているが、SEというよりは親会社とシステム間との調整ばかりしている
会社にとっては、特にオフィス環境の面では大いに違いが出てくる。
(調整することが仕事する人にとっては、電話やメールをすることが仕事だ)
この本に記載してある内容は、管理者を意識すると簡易なフレームワークになりうるので、私のような
会社に勤めている人間にも参考になるが、システム子会社の人間がそもそも生産性高く仕事をして
楽しく何かを作る側に回れるにはどうすれば良いか?については、考え続けなければならないと感じた。