一年の折り返しの月――6月。その月末、6月30日(土)から テアトル新宿
にて映画『くそガキの告白』が公開される。
映画『くそガキの告白』を皆さんは、ご存じだろうか。
監督・脚本を務めたのは、僕が所属している事務所の仲間の鈴木太一さん。
その鈴木さんに初めて会ったときの第一印象――何なんだ、この強烈な存在感は。いや、存在感と言うより、単純に態度がデカいと言えなくもないぞ。僕はよく初対面の人にナメられる傾向がある。ナメられないよう先輩風を吹かせてやろう。
――と、思ったのも、つかの間、話していてすぐに、惹きつけられた。
どっちかというと僕は疑い深く、しかも飽き性なので、真っ直ぐな心(=純粋という意味ではない。情熱の量が人より多いという意味だろうか)を持った人に会うと、すぐに分かる。話したのは事務所の忘年会やら飲み会でのわずかだが、人の魅力というのは、短い時間でも伝わる。彼は売れるだろうなと思った。
誰だってそうだ。共同作業である限り、魅力のある人間と仕事がしたい。
そんな鈴木さんが撮った映画『くそガキの告白』。
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で、オフシアター・コンペティション部門審査員特別賞・シネガーアワード賞・ベストアクター賞、人物部門 ゆうばりファンタランド大賞の四冠を取った。
人の評価は評価。当たり前だが、僕は自分の目で見たり聞いたりしないと信用しない。なので、ふうんという感じで、少し前事務所にあった完パケを借りてきて見た。
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基本的にだ。僕は映画はよっぽどのことがない限り勧めない。だって、1800円掛かる。1800円あれば東京ちからめしの牛丼なら、6杯食べれる。王将の餃子なら9人前頼める。レンタルなら映画を5本~6本見れる。だから滅多なことでは勧めない。
だが、この映画は熱烈に勧める。
公開前だし、情報をどこまで書いていいのか分からないので、詳細は避けるけど、観終わった後、思わず鈴木さんに電話しそうになった。
ただ電話番号を知らないことに気づいた。そもそもわずかにしゃべったぐらいの顔見知り程度。電話を掛けたら鈴木さんに「何だ、こいつ」と思われてしまう。
一体、何が言いたいかというと、これはホントに多くの人に見てもらいたい。
僕なんかが断言しても説得力は皆無だが、劇場で1800円払って観る価値のある映画だ。
ラストシーン、冷静に考えればコメディなんだが、感情ではうるっと来る。そういうのが好きなんだよなァ。だって笑いと涙はとても近いモノだから。
喜劇は悲劇。分かっていてもそれを表現するのはかなり高度。というより技術論云々ではなく、主人公のキャラクターに誠実に寄り添った結果、生まれたシーンだろう。
そして最後の最後に来る大オチ。笑った。声に出してだ。
いい映画を観たい――そう思っている人は、是非劇場に行ってほしい!
ホントお勧め!