早朝、新聞がポストに投函される音が好きだ。


一日が始まった音のように聞こえる。

夜型の人にとっては、一日が終わる音かもしれない。



一度、新聞配達のバイトをしたいと思ったことがある。まだ、夜も明けぬ街を駆け巡る。夜か朝か分からない闇を走る。人は誰もいない。この世にいるのは、自分だけのような錯覚に陥る……。


そういや、中上健次さんの「19歳の地図」、佐伯一麦さんの「アルースボーイ」の作品が好きだが、両作品とも新聞配達の仕事がイキイキと描かれている。

この寒い中、実際に新聞配達している人は大変だと思うけど、やはり魅力的だと思う。




そして一日が終わる音は、僕にとってはパソコンの電源を切るときに流れる、ウィンドウズのあの音だ。







人によって一日が始まる音と終わる音は違うんだろうな。