あっという間の千秋楽公演
この千秋楽が初観劇となりましたが、久しぶりの京都に行って来ました。
2022年2月23日(水・祝)~4月16日(土)と短い期間でしたが、京都で観ることが出来て良かったです
壊れかけたら、直せばいい。 家族の絆も、ロボットも。
壊れかけのロボットとの出会いが、止まっていた男の人生をふたたび動かし始める――。
2015年に、イギリスの作家デボラ・インストールによって生まれた小説「ロボット・イン・ザ・ガーデン」は、 世界各国で多くのファンに愛されています。
日本でも小学館文庫により出版され人気を博し、2022年には「TANG タング」のタイトルで映画化されることも決まっています。 そんな物語を、劇団四季がオリジナルミュージカルとして舞台化。
各界で活躍する一流クリエイターと四季クリエイターがタッグを組み、2020年10月に開幕した本作は、その初演が雑誌「ミュージカル」の「2020年ミュージカル・ベストテン」で作品部門第1位に選出されました。
ストーリー
アンドロイドが人間に代わって家事や仕事を行う、今からそう遠くない未来。 イギリスの田舎町に住むベンは両親を事故で失って以来、無気力な日々を過ごしていた。
妻・エイミーとの夫婦仲もうまくいかない。 そんなある日、庭に壊れかけのロボットが現れる。 「きみの名前は?」「…タング」 ロボットに不思議な魅力を感じ、ベンはあれこれと世話を焼く。
そんなベンに愛想を尽かし、ついに家を出て行くエイミー。 ショックを受けるベンだが、タングを修理するため旅に出ることを決意する。 アメリカ、そして日本へ。やがて、ある事実が明らかになる……。
(公式サイトより)
↑本日のキャスト。
田邊さんのベンが観たいと思っていたので最後に観られて嬉しかったです(*´ω`*)
そしてネタバレを嫌う私の耳にも「泣ける」とチラホラと届いていたくらいなので最後は相当に泣けるのだろう・・・と心して観劇しましたが
犬、しかもダックスはあかん・・・
こんなん1幕から泣く
とすぐに泣きました(笑)
ベンとタングが旅をする中で出会った亡くなった家族を待ち続けるダックスフンド型ロボットのカイル。
もう少しで寿命が来てしまう旧式ロボットのカイルですが、そのカイルのメモリーを読み込んで彼の言葉を伝えてあげるタングのシーンがもう
カイルの願いはいつか帰ってきたご主人に「good boy、カイル!」と褒めて頭を撫でてもらう事とか、そんなささやか過ぎる願いに今これを書きながらでも泣けちゃいます
ダックス飼いの私は自分のワンコとも被ってしまうし、最近「ウクライナの忠犬」と呼ばれている亡くなったご主人を玄関先で待つあの健気なワンコの姿とも被るしで、1幕は頭が痛くなるくらい泣きました。
このロボットのカイルは後ろで動かしている演者の方がいらっしゃるのですが、そちらが気にならないくらい尻尾や首の動きが本物の犬そっくりでかなり研究されているのだろうな、とあの細かな しぴぴぴっ!!と動く愛らしい尻尾を見て思いました。そうそう、ダックスってあんな尻尾の動きするねんよなぁ~とほんわか
田邊ベンは本当に穏やかな優しい人物で、でも心の中には妻への劣等感や葛藤があって・・・という姿に1幕から引き込まれました。
あの本心から言いたい訳じゃないのに相手の事を考えすぎて波風を立てたくなくて・・・とつい相手の望む(と思う)ことを言ってしまう不器用さよ
「も~そこの返事はそうじゃないでしょ」って言いたくなるシーンが盛りだくさんでしたが(笑)その相手を思う優しさのつもりだったものが実は自分が傷つきたくなくて逃げているだけのことだったのだと気づき、もう一度エイミーと心を通わせようと立ち向かっていく姿に後半は泣けました。
そしてタングを叱るシーンも一つ一つのセリフをゆっくりと紡ぐように話すのがとても印象的でした。タングもベンもこの旅でお互いが成長出来たからこそあそこで分かりあえたのだと思えて二人の絆を強く感じるシーンに涙が
タングは二人の役者さんが息を合わせて動かしていたのですが、その動きも見事でこちらもほとんどタングのお顔ばかり見ていました。
最初は片言で話していたのがいつの間にか言葉がスラスラと出て途中からはベンと口論出来るくらいに口達者になるし途中拗ねたり癇癪を起したり?と見た目に反して学習能力が高くかなりハイテクなロボットであるタング。
段々と動きも可愛く見えてくるしあの大きな目玉から感情表現も読み取ることが出来るのだから不思議でした(笑)
時々困ったような表情になったり怒ったように見えるのはあの目玉のフチの四角を少し回転させて下がり目にしたり釣り目にしているからだというのは分かりましたが、瞬きをするタイミングや俯いたり頭や手足を動かすのも二人の役者さんなので、その繊細な動きが本当に素晴らしかったです
タングの声を担当していた生形さんの声も可愛かったし「ウィィー!!」という独特のお返事とか、ズボンをポ~イ!!と投げる雑な動きとか、笑いの要素が時々あるのも小さな子供みたいで愛らしいタングでした。
実はハイスペックで人間の脅威にもなり得たハイテクロボであるはずのタングが全くそんな気配もなく、反抗的な態度を取ることはあっても時々「ベン、タングの事捨てる?」「タングの事嫌いになった?」なんていじらしい事を聞くロボットになっていたのはベンの心を学習したからなのだと思うとこちらも深いです・・・。
「君は人間の脅威になるかもしれないが逆に人間が考えもしない凄いことが出来るはずさ」というニュアンスのベンの言葉はとても前向きでいい言葉だと思いました。エイミーのようにタングの心を救うベンの言葉ですね
ボリンジャー役は佐野正幸さん。
回想シーンのパパも演じていましたね。ボリンジャーだけもっと登場シーンがあるかと思えばあっさり負けてあっさり引き下がったのが拍子抜けでしたが、歌の迫力は流石でした。ただ他の方がハキハキ喋る中少しセリフが聞き取りづらく感じたのは私が2階席から観劇だったからなのでしょうか。
エイミー役の鳥原ゆきみさん。
ブライオニー役の町真理子さんとキャッキャと歌う1幕のシーンが楽しそうでお花を持つニコニコ顔が印象的でした。
・・・が!ベンの事を思っているのがよく伝わって歌ひとつひとつが切なかった~
電話のシーンなんてこれが電話じゃなくて対面だったら絶対ベンにこの気持ちが伝わるはずなのにと思うくらい良い表情でした。
色々と感じたものが多い作品でしたが、1回の知識では追いつかないことも沢山ありました。見知ったお顔もチラホラとあり色々と思い出しながらの観劇は嬉しかったしもう少し京都公演があればまた観に行きたかったなぁ・・・
「モーニングティーは薄目?濃い目!」とか某猫車掌さん?みたいなセリフにクスッとなったり、雨の中傘を持つシーンのちょっとしたタップだったりにも他作品のネタが盛り込まれてるのかな?と思うことがあってそこも面白かったですタップをイキイキと踊る田邊さん素敵でした(*´ω`*)
なんといってもハッピーエンドの結末はやっぱり嬉しい♪
そして最後に登場したカイルに「まだ元気に動いているのね・・・」とまた追い涙が(笑)
そういえば事前の告知で千秋楽は特別カーテンコールがあるとの事でしたが、初見の私にはどこからが特別カーテンコールか少し分かりづらかったです。
今年は映画化もされているし、5月から全国ツアーもあるそうなので京都公演が終わってからもタングの旅は続きますね。
↑京都公演の撮影スポット。
お花見団子の他に八つ橋も持ってる(笑)しっかりちゃっかりと京都を味わうタング
↑1年ぶりの京都劇場。ここから見える京都タワーも久しぶりでした。
↑シークレット缶バッチは妹と3回引きましたがどれも被らずに3個ゲット♪この他にパンフレットとキラキラのポーチも買いました。
↑パンフレット表紙のタングが絵本のようで可愛いです。
今日はリトマ以来のブロ友様ともお会い出来て楽しい観劇となりました。
カーテンコールも多くて何度も何度も出て来ては手を振って下さるキャストの皆様や、何度目かの時に客席に宝塚のような投げキッスをくれるタングや(笑)
袖でお腹の扉が開いたままご挨拶するタング→ガムテープを持って出て来る田邊さん→お腹にテープを貼って修理してあげる→仲良く手を繋いで捌ける二人
という可愛いやり取りもあってもう何回カテコがあったか思い出せません
たくさん拍手したので後半は手が痺れましたが(笑)
良い舞台を観た後の余韻にたっぷり浸りながら帰る道のりは軽やかでした
・・・おまけ(笑)
↑久しぶりに京都に来たらこの茶色の郵便ポストが懐かしかったのでパシャリ。京都では景観を守る為にマクドナルド等も赤じゃなくて茶色の看板なんですよね。初めて見た時はびっくりしたものです。
↑そして・・・これは一体!?
私が京都に住んでいた頃は見たことがありませんでしたが、2階建てのバスなんてあるんですねー!
景観を守る為にタイムズの看板や三角コーンだって茶色の京都がこんなにド派手な色の車を走らせるなんて珍しい気がします(笑)
ただ残念ながら今日の京都は春の暴風が吹き荒れる肌寒い1日だったので乗ろうと待機している人はゼロでした