このところブログのタイトルがカチッと定まらない。


 前回まで何度か使用したタイトルは、かの詩人リルケの「若き詩人への手紙」の冒頭ある一節のタイトルをもじったものであったが、あれはなかなかしっくり来て気に入っている。


 しかしまたフとシュールなタイトルにしてみたいと思い、ファミコンのとある推理アドベンチャーソフトのタイトルを実験的に文字ってみたのが現在のタイトルである。


 要は他から見れば、頗るどうでもいいことに拘ってしまう癖がある。


 それはさて置き、前回のカート・ヴォネガットの短編を読み終えて直ぐ、例のごとく思いつきでしばらく並べたままのウィリアム・アイリッシュの短編集「さらばニューヨーク」を引き出し、異色の西部ものの呼び声ある「ワイルド・ビル・ヒカップ」を読んでみた。



 これまでアイリッシュの小説は、この中に所収の一篇を読んだきりであって、どこか哀愁と後悔漂うイメージを持っていたのであるが、「ワイルド・ビル・ヒカップ」は異色作だけあって、意外にもユーモアみなぎるものである。


 現実ではそんなヤツいないだろウと思いつつ、「ドラゴンボール」の登場人物ランチの如く豹変し暴れまわるガンマンのビルの嬌態が滑稽に見えてくる。


 ビルの場合、クシャミではなく食べものに当たった場合であるが…。

とにかくランチよりビルの方が凶暴かもしれなく、それを一種の英雄伝説のように回想するのが面白い。


 そう、舞台はビルが居なくなった後の街なのである。