私自身嘗てはゲームっ子で、20代中盤頃までテレビゲームが手放せない人間であった。


 かと言って、人より秀でたゲーマーでもなく、ただ平凡あるいは平凡以下のやり込み様だったのではないかと今では思っている。


 今では家に「SWITCH」というアイテムがあるのだが、私自身は滅多に手に取ることがないほどゲームから関心が遠退いた。


 しかしながら、ここしばらく朝の通勤テーマであり、脳内でリフレインしているのは、何を隠そう私たちの少年時代の代名詞「ファミコン」のBGMである。


 「飛龍の拳Ⅱ」のシビれるフィールドテーマから「ロックマン2」それから「悪魔城ドラキュラ」、「ドラクエシリーズ」、「魍魎戦記MADARA」に至るまで、あのときの単音が感動を呼び覚まし、活力を湧かせるのである。


 数多くのゲーム機とソフトが自分の時代を通り過ぎた中、今でもハッキリと憶えているのはやはり「ファミコン」と少年時代の思い出である──


 小1の時のクリスマスプレゼントに、「ファミコン本体」と「バンゲリングベイ」を貰ったことからはじまり、「リセットボタン」に問題がある本体を長年愛用してきた。


 そう、私の「ファミコン本体」の「リセットボタン」は、一度押すと沈みっぱなしで戻ってこない問題を抱えており、ボタンを押すと画面が灰色になったままになるのである。


 そんな状況に「そんなもんか」と甘んじていた、当時少年の私であるが、本来は交換ものの初期不良で、我が家および遊びに来たお友達とは「禁断のボタン」の密約があった。


 話せばたくさんのソフトにそれぞれの思い出があり、ここでは語り尽くせないが、「ファミコン」といえば「少年時代」と「お友達の家」を連想するぐらい今でも愛着のあるゲーム機で、あれから30数年以上経った今においても最高位のゲーム機ではないかと思っている。


 閑話休題─

やっと本の話に移るのであるが、当時を人の文で呼び覚ましたく、最近「ファミコン」に関するこんな本を取り寄せた。



 ジャケットは懐かしのⅠコンである。
当時Ⅱコンだけに謎のマイクが付いていた。
勿論、マイクが活かされたことはなかったと思う。

 そしてこの薄くて軽いコントローラーに、「高橋名人」の16連打ができる電池式のバイブレータオプションを取り付けるも、まったく使えなかったことを思い出す。

 また脱線してしまったが、タイトルから遡りよくよく考えると「ファミコン」が栄化を誇った期間は、約10年だったんだなと感慨に浸る。

 「ファミコン10年」には、「スーパーマリオブラザーズ」から、当時発売待ちの行列を作った「ドラクエⅢ」、ファミコンの終焉までのことを面白可笑しく回想している一冊のようである。(勿体ぶって未読)

 本をパラパラしていくと、懐かしい「フォーチュン・クエスト」のしおりが出てきて、また意識があの頃(これは中学時代ぐらいだったかな)にトリップする。

 とにかく「ファミコン」の思い出になると、ここでは語り尽くせないぐらいの思い入れがあることを書きながら考えるのである。

 ファミコン、そして伝説へ──