まずは私ごと、数年来本の購入・売却履歴を雑駁に管理している「読書ノート」が、あと僅か1冊分埋まると満杯を迎える、いわゆるリーチの状態になった。


 当初は読書履歴まで残そうと「読書ノート」と銘打った単なる大学ノートであるが、今は専ら購入記録に終始しており、これからは徐々に市場取引価格などを加筆しようか考えているもので、全面汚い字で淡々と書き連ねて来たものであるが、あと1冊分(つまり1行)となると感慨深いものである。


 なので蒐集家の悪癖「衝動買い」は抑え、残り1冊は慎重に時間を掛けて埋めたいと考えている。(まだふやすのか!おまえは。)


 さて、残り2冊分を前に数年越しに欲しかった一冊を加えたのがウォルポールの「オトラント城奇譚」である。



 調べによると作者のホレス・ウォルポールは、1700年代を生きた人で、グレートブリテン王国初代首相の三男というかなり絢爛な出身らしいことがわかる。

 もちろん300年前の時代の人が書いた小説なので、「オトラント城奇譚」に格別なストーリー性や起承転結は特に期待を寄せていない。

 「ゴシック」の雰囲気や貴族の書いた馥郁たる格調の文を味わってみたいと思っている次第である。