遡ること中学時代、小説もボツボツ程度読んでいたのであるが、その頃私のごくごく周辺でブームとなっていたテーブルトークRPG(TRPG)という遊びがあった。(今もあるかな)


 TRPGとは、主催者が特定のルールブックに基づいて作ったシナリオを何人かで遊ぶ対面式RPGというもので、ドラクエやFFのようなロールプレイングを、会話とダイスの出目を軸に愉しむ一種のごっこ遊びである。


 TRPGで重要な役割を果たすのが「ダイス」なのであるが、例えるとダメージ=ダイスの出目+キャラの攻撃力−相手の防御力のような戦闘場面に用いたり、ダイスの出目によって隠れアイテムを発見出来たり出来なかったりと、主催者がある程度決めた規範の下、ダイスがシナリオ進行の要所を握っていると言っても過言ではない。


 有名なところでいえば「ダンジョンズ&ドラゴンズ」や「トンネルズ&トロールズ」、小説などでも有名な「ロードス島戦記」などが挙げられる。


 また、「RPG」といえば「ファンタジー」というのが一番定着化されたものかもしれないが、ファンタジーに限らずSFやラヴクラフトの「クトゥルフ神話」などのホラーに至るまで、その種類は割と広範囲である。


 ちなみにゲームの進行役は、シナリオも創出するということで、ルールの理解とストーリーづくりの想像力の2つを必要とするのであるが、当時の私は(今も)どちらも能力が著しくかけていたため、専らゲームのルールブックを蒐めること自体が主になっていた。


 ダイスについてもありとあらゆる種類が世の中にはあるもので、4面体、8面体、10面体果ては100面体(何に使う⁉)まで幅広く、当時同級の仲間内で買物に出た際、模型屋さんで好んでダイスを買っているのは私だけではなかっただろうか。

そう言えばあのとき買った水色の100面体ダイスは何処に行っただろうか…



 前置きは少々長くなったが、当時はTRPGに特化した雑誌も売られており、その時に海を越えて伝来してきた新たなTRPGが「ガープス」であった。

当時その雑誌にもリプレイ記事が大体的に掲載され、アンディとエフィメラの兄妹が主役のそのリプレイを愉しく読んでいたものだ。


 「ガープス」は従来のTRPGの枠を超えた斬新で自由度の高いなルールで、ファンタジー、SF、マジック、マーシャルアーツなど作り込み次第で何でもありのいわゆる汎用TRPGという括りであった。


 当時、角川から発刊された文庫の基本ルールブックは既に紛失したものの、数年前懐かしさに当時と同じものを買い戻した。



 その後、誰かとTRPGを演ったかといえば誰とも演ってない。
ただただ懐かしさに駆られ、いつかの日が車で保管しているのである。