今年も残すところあと二時間程となってきた。

岡潔さんの著書「春宵十話」を今年最後の蒐集とするはずが、蒲原有明の作品につい手が出てしまった。


 そして古本屋さんの棚のように読みたい本が並んだ自分の本棚を眺めていると、ふと宮沢賢治の詩集を何か読んでおかないとと思い、何ともいい画の文庫詩集を引出し、「永訣の朝」を二回読んだ。



 大切な人を喪うかもしれない哀しみと、苦しみ喘ぐ妹のためにたっての願いを叶えたいという懸命な賢治さんの姿に心打たれる詩である。

 来年は私も人のために懸命に駆け出せるかという想いを抱きながら、今年を終わることとしたい。