わたしの参加させていただいている読書会は、大体会の中で次回の課題作品を決めるのであるが、前回の「天の夕顔」の際には決まらなかったとの事で、異例の投票型式が採られる事になった。



 そろそろヴォネガットをと「猫のゆりかご」「タイタンの妖女」を提案したのはわたしで、現在のところリチャード・ブローティガンの「西瓜糖の日々」と得票数が拮抗している。

 さて、カート・ヴォネガットというと、全体的に掴みどころのない文体が最大の特徴で魅力であると、自分自身思っているのであるが、これまで数作通読した中で最も記憶が鮮明なのが、今回挙げた「タイタンの妖女」で、ヴォネガットはというとすぐ出てくるのがこの作品なのではないだろうかと思うところである。
 「猫のゆりかご」は未読のまま眠らせてあるのだが、その話の筋だけから見ると課題に合うようなエキセントリックな雰囲気がしている。



 一方でブローティガンの作品も個性的で捨てがたい。

「西瓜糖の日々」は、以前わたしのブローティガン作品蒐集期間に、単行本初版を買い求めたこともあり、こちらが当選しても愉しんで読めそうである、



 ちなみに一票入っている「チップス先生さようなら」は、文量・内容的に朗らかでいいのではと、わたしが提案したものである。


 つまり候補の作品の6割が厚かましくも、何らかの形でわたしが推薦したものとなる。


 しかしながらまずは、スローペースで読書中の「暗夜行路」の山谷暗転人生を、光明の方へ抜け出さないとならないと思っている。