gooランキングに日本の会社の悪しき習慣についてのランキングが出ていた。

1サービス残業が当たり前
2有給休暇が取りづらい
3社員の育児休業取得に積極的ではない
4忘年会や新年会は絶対参加
5上司から飲みに誘われても断りづらい
6上司より先に帰宅しづらい
7社員旅行に強制参加
8年功序列
9暖房・冷房の極端な温度設定による作業効率の低下
10お茶だし当番がある

先日ライブに来てくれた友だちも誰かが残業してるときに自分の仕事が終わって帰ろうとすると上司に怒られると嘆いていた。残った所でやることがなくただぼーっとしているしか無いらしい。

昨日読んだ本にも、社員旅行に加わらないと上司の部下に対する管理能力が疑われてその上司の昇進に響くから、部下は用事があってもどんなに嫌でも強制参加させられるという話が出ていて確かにありそうな話だな~と思って読んでいた。

欧米でもあるかどうかは知らないが日本では会社内でのいじめなんかもある。

無視だったりみんなに笑い者にされたり。いい大人がやってることは小中学生のいじめと変わらないと思うと実にバカバカしい。

昇進の鍵を握るのは能力じゃなくて結局は上司に気に入られるかどうかでしかないという話も聞く。

昇進したければどんなにイヤミで威張り散らしている上司でも尊敬した振りしておべっかを使わなければならないことになる。その結果なりふり構わずそういうことが出来る人間が昇進して上司になり、部下に対して威張り散らすので悪循環である。

原理はガキ大将にへつらう小物の関係となんら変わりない。

モリモトの先輩でも自分の信念を通そうとして上司にたてついた結果二年近く会社内で窓際に追いやられて干されていた人がいる。まあその人は自分の才覚でちゃんともと地位に戻ったが、そうはいかない人も世の中には沢山いるだろう。

しかしこう考えるとランキングにある項目も含めて日本の会社、というか大人社会が実にバカバカしく思えてくる。

とはいえ、じゃあ全て合理主義的にすれば良いのかというとそれもどうかと思うわけです。

たとえば終業時刻に上司が困った顔で「君の担当のお客さんからクレーム入っちゃって、営業時間外で悪いがこれから謝罪に行ってくれないか」と言われて

「いえ、もう定時過ぎましたのでそれは明日でお願いします。これ以上の労働は労働基準法違反ですから僕には帰る権利があります」

なんて調子で杓子定規に答えられたらそれはそれでどうなのよって気もする。

最近はなんでもかんでも合理化が叫ばれてるけどなんかちょっと違うんじゃないかと感じる。

辞書で「合理主義」を調べると
物事の処理を理性的に割り切って考え、合理的に生活しようとする態度。

と出る。だがこれがおかしい。

なぜかというと辞書で「合理的」を調べると次のように出る。
①道理や論理にかなっているさま。「―な自然界の法則」
②むだなく能率的であるさま。

モリモトが思うに、合理主義というのは「合理的」の②の意味だけを取ってるように思える。

しかし①の意味を考えると例文「―な自然界の法則」を見てわかるように自然であることが合理的でもあるわけだ。

となると、「合理主義」の「物事の処理を理性的に割り切って考え、合理的に生活しようとする態度。」というのは無理がある。

なぜなら感情のある人間は全てを”理性的に割り切って考える”ことは出来ないからだ。それは自然とは言えないでしょう。それはコンピューターの考え方である。

どうも昨今合理主義が叫ばれることによって人間がコンピューター的な思考になってきてるように思うんですよ。

そうなると「思いやり」なんていうコンピューターでは出来ない人間ならではの素晴らしい感情はどうしたって薄れていかざるを得なくなるわけです。

つまるところは思いやりが足りないんじゃないかと。

そもそも現代人は権利を主張し過ぎる。

例えば保険会社のコールセンターにはお客さんから
「今すぐ担当と連絡を取りたいから電話をさせろ」

と夜中に電話をしてくるのが日常茶飯事だが、「お客様の担当営業所は営業時間が終わっておりますので大変申し訳ありませんが明日連絡させます」と言っても

「ふざけるな、そんなのはおまえの会社の事情だろ。俺はこの時間まで仕事してるからこの時間じゃないと連絡はとれないんだ。保険料払ってるんだから今すぐ連絡させろ!」

と実際になるのです。

それを言ったらこの時間じゃないと連絡がとれないのはそれこそあなたの事情でしょうと思うものの、相手が客である以上こちらは謝るしか無い。

この手のお客さんの主張は深夜に「仕事が忙しくて今しか買い物が出来ない。買いたいんだから店を開けろ!俺は客だぞ!」と閉店してるお店に無茶言ってるのと同じようなもんなんだがそこがわからないらしい。

そもそも金を払えば威張り散らして良いというのが間違いである。

もちろん対価を支払ったお客さんに対して誠実に対応していない場合は言われても仕方がないが。

だからこそ結局は思いやりなのです。

上司が部下を思いやれば部下も上司を思いやるし、会社が社員を思いやれば社員も会社を思いやり、企業が客を思いやれば客も企業を思いやるということでしょう。

どちらも同時に思いやることが大切なんだとは思うが、現実には”思いやったのに返ってこない”ということがままあるのが現状だったりもします。

でも、全部が全部返ってこないということは絶対にない。

「誰も自分を思いやってくれない」と悲嘆にくれてヤケになる前にまずは自分から誰かを思いやってみれば、必ず返してくれる人がいるはず。

その中でお互いが思いやれる関係を築けた相手を大事にすることが大切だと感じるこのごろです。


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6/2@高田馬場 四谷天窓
出演:モリモトナオユキ masao 杉崎真宏(ゲスト参加)