おかあさん、
あなたは家族だとわたしのことを言った

おかあさん、
あなたはいつも『かつひさ』『かっちゃん』のことを
かばっていた

先天性四肢欠損症の
『かっちゃんはこれが危ないと思うから』
『かつひさはこれは無理だから』

おかあさん、
あなたはこんなことを口にするのは駄目だけどと、
『きれいなお家、おおきなお家』をうらやましいと
言った

あなたは『こんなことを言うのは駄目だけど』と
言葉になったものをそこに落とした

おかあさん、
あなたはいつも私と話しながら
あなたの心のなかにいる『かっちゃん』を見ている
幼いかっちゃんはあなたに何を言っているの

おかあさん、
わたしはあなたといるととても苦しくなった

僕はあなたを許せなかった
僕はあなたを許せなかった
言葉の向こうはいつも
『かつひさ』をかばっている姿だった

あなたはわたしに前向きにとらなきゃいけないよと
何度か言葉に出した

ぜんぶ、嘘に聴こえるんだ

あなたはいつも、
『かつひさ』をかばう自分をただ見ているだけだった


お義母さん、
わたしはとても息苦しかった

わたしは悪になった

あなたの目にうつる通り。







わたしは
出ていった

拒絶はとても楽だった

目に映ったのはいつかのわたし

『死ねばいいのに』
6年つづいたいじめは
痛いいたい
いたいんだ


痛いいたい
ここなら大丈夫かな
心が遠くなったんだ

痛いいたい
どうしてこんなに痛いの
ガードしているんだよ


痛いいたい
元気になったら出てくるの

『じゃあわたしは誰なの』



















うん、僕はぼくを愛したかったんだ