先日、NHKで放映されたスペシャルドラマ「戦艦武蔵」はネット上で不評です。
その原因には、いろいろな因子(要素)があります。
・なぜワンダイの英語曲「ロングウェイダウン」なのか?
・なぜ戦艦武蔵のシーンがアニメ風なのか?
・CGがレベル低すぎ
・なぜドキュメンタリーではなくドラマ?
・反日プロパガンダだ
・どうして絵本フェルジナンドの話しになるの?
確かに評判が悪くて当然の出来栄えでした。
しかし、全てが悪かったか?というと、良い要素もありました。例えば…
・生存者が1300人程いたのに、武蔵沈没を隠蔽するために負傷者までも激戦地に送り込み見殺しにしたため、300~350人まで減った史実を追求。
・戦艦武蔵は沈没しても海中を漂い日本に戻る…と信じた。
・仲間を助けず見殺しにしたことを悔いる生存者を描いた。
このように、悪い要素もあれば良い要素もあるのに、人間の脳は「駄目」という烙印を押してしまいます。
そして、脳の中で【ドラマ「戦艦武蔵」⇔ダメ】という回路が確定すると、もう「ダメ」の面しか脳は記憶しません。
得手⇔苦手、良い⇔悪い、好き⇔嫌い
羅針盤は陰陽のいずれかを指し示し固定化します。
こんな風に羅針盤がいずれを指すか?で、その後の判断や行動に影響が及ぶ…。
【ドラマ「戦艦武蔵」⇔ダメ】が【NHK⇔ダメ】の要因になっていく…。
そして、その下層に拡がる要素群は見えなくなっていきます。
こうして私たちは脳の中に理屈を構造化していくわけですが、その形態は常に同じです。
これらは理屈、因子、因果、理由…で出来ています。
違った言葉を使えば「真理、要素、因果、情報」と言えるでしょう。
もっと単漢字で思考するとすれば『理、素(子)、要(結)、因(果)≒糸、情≒言』と言えます。
つまり、 『理、素、結、糸、言』と単純化でき、こういった構造と、その構造の周回や陰陽といった変化が脳内の祖型だと考えています。
これは次のような動態とも相似しています。太陽系、惑星の集散、軌道、衛星、さ迷う≒惑う…、おそらく、どんな階層でも同様の動態なのでしょう。
どんな要素(素子)でも、単一と認識しても、その単一は素粒子から出来ていて、上下に階層があって、分解したり融合したりする…
この事実は私たちの脳内の構造でも同様です。
どうしても図解するためツリー構造やピラミッド構造で理解してしまいますが、実は、脳の中の構造は、因子(要素)が斑(まだら)に流動的に可塑性を維持した状態で保たれている…
ドラマ「戦艦武蔵」は良くないという人々は「青○」しか見えず、ドラマは良いという人々は「赤○」しか見えませんし、その見え方は人それぞれです。
その構造を『理、素、結、糸、言』でデータ化し、そのデータを解析した人工知能が構造を解明して表現していく…、そんな流れをソフトウェアにすれば良い。。。
このドラマでは、遍路とロング・ウェイ・ダウンという曲を繋げたり、野村を蹴り飛ばし殺した木山と、木山に野村を蹴り飛ばせと命令した真中がその過ちを悔恨するという物語りと、日本軍全体の命令系統と玉砕方針とを繋げたりして、そういった階層が違う構造を相似させようとしていましたが、視聴者には上手く伝わってはいませんでした。
・真中少尉⇒木山に命令
・木山⇒野村を見殺し
・大本営⇒玉砕命令
・上官⇒兵士を見殺し
これらは全て同じことが繰り返しているに過ぎません…
その結果、ドラマの中で木山は遍路で悔恨し続けるわけですが、現実の日本人は靖國で尊崇し続けるわけです。
その違いは、どんな脳内構造の違いに起因しているのか?…、その羅針盤の中味に気づくと見えてくるものがありますね。