311に寄せて | うまいもんネット☆農業部☆

うまいもんネット☆農業部☆

「はりま御津うまいもんネット」で売られている野菜を作っているのが私たち♪
日々の農作業をつづります(*^_^*)

今日は、あの震災、津波が起きた日から1年です。

去年の今、何をしていたのか記憶をたどるために過去の日記を見ていました。
以下は、去年の3月12日に書いた日記です。



ここ、成山新田は、完全に海岸沿いにあるので、東北の津波のような津波がきたら、もう、どうしようもないですげっそり
台風や、大雨の時はやはり心配になるものですが、今回、東北の映像を見て、本当に他人事でない気がします。
田んぼが津波に飲み込まれる様子も映っていましたが、あんなことになってしまったら、回復するまでにどれだけの期間がかかるでしょう。そもそも、回復は見込めるんでしょうか・・・
私たちは、今日も、昨日と同じように畑で仕事ができている…。ありがたいことだと思っていいのかどうのかもわからない気持ちですが、とにかく、今できることを頑張ってやりたいです。



この時点では、東北地域の農業に関する痛手は、『塩害』だと思っていたんです。回復するのに時間がかかるということの意味は、海水がなくなって、作物が育つ環境になるには、どのくらいの時間がかかるだろう。という意味で書いています。あれだけの塩水に浸かってしまったら、どうなるんだろう・・・。と、考えていました。

けれど、1年たった今、わかったのは、一番ひどい痛手は放射能汚染というとんでもないことなんですよね。

塩害なら、まだ切り抜ける方法があったかもしれない・・・。
それこそ、土を全部入れ替えてしまえばできたかもしれない。

でも、放射能はちがいます。

塩害では、そもそも作物が育たない。
でも、放射能で汚染された土でも、作物は育つんですよね。
そして、その影響を知るには、特別の機械で特別に検査するしかない。
目に見えない影響って本当に怖いです。

もし、私たちが、「この地域は放射能で汚染されているので、明日から作物を作って売ることはやめてください。」と言われたらどうするだろう・・・。
生活のすべてがこの土にかかっているのに・・・。
それ以外の生活方法をしらないのに・・・。
いや、探すことはできるかもしれないけれど、当面の生活はどうするのか・・・。

汚染されているかもしれないとわかっていても、生活のために売ってしまうだろうか・・・。
倫理的には許されないけれど、極限状態に追い込まれたら?
リアルに想像すると、本当にお腹が痛くなるくらい。
考えても仕方ないことだと言い切れる?
このまま、あの原発が放射能を出し続けていれば、そして、全国の原発が稼働すれば、どこにいたって他人ごとでは済まされない現実がある。
瓦礫の広域処理にも疑問があるし・・・。

とにかく、思うことは、今のまま、安全に食べられる美味しい野菜を作り続けていきたい。たくさんのお金を儲けることはなかなかできない仕事だけれど、でも、自信をもって食べてもらえる野菜を作っていることは確かだ。

だから、その環境をわけのわからない理由で取り上げられたくない。そう思います。

東北地域で農業を営まれている方々、大変な状況に苦しんでおられることは間違いないでしょう。
これから、この国の農業がどうなっていくのか、捨て去られるのか守られるのか、何かしら声を上げていかなければならないのかもしれないと、考えてしまうのです。