軍師官兵衛:最終回 乱世ここに終わる 第4幕 | ♪ DEAR MY LIFE ♪

♪ DEAR MY LIFE ♪

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

1604年(慶長9年)、伏見の黒田屋敷で正月を迎えた如水
善助に案内されて部屋にやって来た長政は、
四年前の関ヶ原の戦いにおける働きを、如水に褒められる。
滅多に長政を褒めない如水が「見事だった」と褒めるシーン。



最近は「褒めてのばす」なんていう教育方針が流行してるみたいで、
そんなんじゃ、子供が増長するだけだよ~とも思えますが、
それだけ「叱られ慣れていない」「打たれ弱い子供」が多いというのも事実。

怒るのと叱るのは、全然、違う行為なんですが、
自分の激情にまかせて怒ってばかりの親も多いんでしょうね。
そういう意味で、如水は長政を叱ったことはあっても、
怒ったことは無かったんじゃないかなぁ~と。

75

あと二ヶ月あまりで死ぬだろうと預言する如水は、
善助に自分の合子形兜(ごうすなり・かぶと)を与える。
そして、同年の三月、如水臨終のシーン。



「光、お前が妻でよかった」
ここで挟み込まれた、官兵衛の若い頃の映像を見ると、
衣装デザインやメイキャップスタッフの力もありますが、
岡田君が如何に役柄を作り込んでいたかが理解できますね。



如水が亡くなって11年後、1615年(元和元年)4月
大坂夏の陣が勃発。徳川と豊臣の最後の戦が始まる。
長政と仲たがいした又兵衛も大坂方に参陣。

このドラマのラストを何処にもって来るのか?
正直、すでに如水が死んでいる、
この夏の陣まで描いてくれるとは思ってませんでしたが、



鉄砲に撃たれてうずくまった又兵衛、
その最後の「死に花」を映像で語る心憎い演出。



燃え上がる大坂城のアップ、その光景を遠くから見つめる家康。
この場面のCGの仕上がり具合も、上出来だったんじゃないかと。

思い返すに、2000年の大河「葵 徳川三代」の頃のCGは、
初回の関ヶ原の兵の群れや、炎上する佐和山城など、
それはそれはお粗末なCGで、ゲンナリした記憶もあり、

74

民放各局と比較すると、かなり遅れていた感がありましたが、
2009年のSPドラマ「坂の上の雲」あたりから、
NHKのCG班の技術は飛躍的に向上してきた様に思えます。

そして今回、極めつけは、このラストシーン。
とてもスタジオ内に作ったセットとは思えない精巧な庭。
水の如く生きた如水を思わせる庭の清水。
その「三途の川」を思わせる流れの先に登場する如水。



静かに振り返る如水から、光のアップになった時、
その彼女の背後に、ロウソクの光と十字架の影が!!

振り返った如水の微笑みと、ゆるやかに舞い散る花びらたち。
この場面に、高速度撮影を使おうと考えたアイデアは流石です。
この花びらの演出は、会心の出来。



目茶苦茶、細かいこだわりを感じさせる、このシーン。
一々、解説をするのも馬鹿らしいほどの美しさ!
そして、如水が愛用した「杖」が映し出され、ここでブチッと終了。

もうね、ここで職隆(官兵衛の父)が死んだ時みたいに、
白地の背景に官兵衛が喋りだしたら、どうしようかと思ってましたが。w
この終わり方、良かったなぁ~と、つくづく思います。



今年の大河「軍師官兵衛」を見てきて、一番、印象的だったのは、
物語を映像で支えてきた美術班の存在でした。



美術チーフの山内浩幹さんは、子供の頃から大河ドラマに触れ、
学生時代、いつか大河の美術に携わりたいと願いつつ、NHKに入社、
そして、今年、ついに念願かなって美術担当になったそうなんですが、
その彼の心意気、情熱が随所に感じられる一年間でした。



ただ、残念なのは、この種の公式HPって、新しい大河が始まると削除され、
毎年、跡形もなく消えてしまうんですよね・・・。
せめて、この「美術の世界」だけでも、写真集として出版してくれませんかね?

絶対、買っちゃうよ?マジで。
NHK関係者の皆様、是非、御一考ください!(*^ー^)ノ