軍師官兵衛:第17回 見捨てられた城 第3幕 | ♪ DEAR MY LIFE ♪

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【第1場:書写山 秀吉本陣の一室】
本陣の一室で密談する官兵衛黒田三人衆
官兵衛が書き記した書状を手渡される善助たち三人。

>戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。(太兵衛)
太兵衛が、いきなり「孫子」の一節を説き始めるので、
びっくらこきまくる善助九郎右衛門。ヾ(^-^;)



>凡そ用兵の法は、国を全うするを上と為し、国を破るは之に次ぐ。
>軍を全うするを上と為し、軍を破るは之に次ぐ。
>旅を全うするを上と為し、旅を破るは之に次ぐ。
>卒を全うするを上と為し、卒を破るは之に次ぐ。
>伍を全うするを上と為し、伍を破るは之に次ぐ。


基本的に、戦争においては、
敵国を保全した状態で傷つけずに攻略するのが上策であり、
敵国を撃ち破って勝つのは次善の策である。

敵の軍団を無傷のままで降伏させるのが上策であり、
敵軍を撃破するのは次善の策である。
敵の旅団を無傷のまま手に入れるのが上策であり、
旅団を壊滅させてしまうのは次善の策である。
敵の大隊を無傷で降伏させるのが上策であり、
大隊を打ち負かすのは次善の策である。
敵の小隊を保全して降伏させるのが上策であり、
小隊を打ち負かすのは次善の策である。



>是の故に、百戦百勝は、善の善なる者に非るなり。
>戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。


したがって、百回戦って、百回勝利を収めたとしても、
それは最善の策とは言えない。
実際に戦わずに、敵を屈服させるのが最善の策である。

続いて官兵衛が呉子の一節を説き始め、黒田三人衆がそれに続く。
>凡そ兵戦(へいせん)の場は、屍(しかばね)を止むるの地、
>死を必(ひつ)とすればすなわち生き、
>生を幸(さいわい)とすれば則ち死す。


戦場とは屍(しかばね)をさらすところだ。
死を覚悟すれば、生きのびることもできるが、
生きながらえようと望んでいると、逆に死をまねくことになる。



※呉子(ごし)メモ
春秋戦国時代に著されたとされる兵法書。武経七書の一つ。
古くから『孫子』と並び評されていたが、著者は不明。
内容は呉起を主人公とした物語形式。
部隊編制の方法、状況・地形毎の戦い方、兵の士気の上げ方、
騎兵・戦車・弩・弓の運用方法などを説いている。

【~感想~】
ここで官兵衛が用いた戦術は、毛利軍の後方攪乱
その目的は、前述の半兵衛との会話内でも記されている通り、
「毛利の大軍を食い止めること」にあるかと。

官兵衛が手渡していた書状を受け取った、
毛利領内の城主達の心を揺さぶったり、
城下に流言蜚語をばらまいて、謀叛の噂を流すなど、
具体的な方法は色々あるかと思うけど、
たった三人で、どれほどの効果が見込めるのか?

これなら、職隆のシーンで登場した文四郎が、
御師のネットワークを使って、忍者みたいに活躍させた方が
効果が見込めるんじゃない?と思えちゃう。

それに、、、この場面で論じられる「孫子」戦略論と、
毛利領内の後方攪乱は、あんまり関係無いんじゃないかな?
まあ、まったくの無関係~とは言えないまでも、
何かイマイチ状況と合致してない~というかピンと来ない

また、次に説かれた「呉子」は、毛利領内という、
死地に赴く黒田三人衆に対する例え話だと思うんですが、
それなら「虎穴に入らずんば虎児を得ず」程度の話しでも、
充分に理解できる話しじゃないかと。(*v.v)。

やろうとしてる事は「加古川評定」の前に安国寺が使った策で、
今回は毛利側を仲間割れさせようっていう作戦なんだから、
「やられたらやり返す!倍返しだっ!」って事だよね。w

実戦(=安国寺の策)から学んだ策を逆手にとって、
今度はこっちがやってやる!みたいな、
そんな泥臭いやり方でもいいと思うんだけどなぁ。。。

先週、左京進も言ってたけど、能書きばかり達者で、
経験から何も学んでない・・情けない官兵衛くん像だね。

「孫子」「呉子」を引き合いに出したわりには、
現代訳も無いんだから、普通、ボーっと見てる視聴者が理解できるわけない。
とんでもなく面白くないシーンになっちゃった気がするんだよなぁ。
まあ、黒田一党が、よく勉強してるんだねぇ~というのは分かった。w

【第2場:神吉城 落城】
信長の嫡男=織田信忠が率いる軍勢に合流した秀吉村重の軍勢。
まずは加古川評定で寝返った「神吉城」を攻め落とす。



これにより、光(てる)の兄=櫛橋左京進の籠もる「志方城」は、
孤立することになる。




【第3場:信忠本陣】
この勢いで志方城を落とし、織田の力を見せつけようとする信忠。
負傷している滝川一益(たきがわ・いちます)を気にかける信忠
荒木村重を糾弾する万見仙千代(まんみ・せんちよ)

西の丸を落とした村重に対し、神吉城主=神吉頼定の叔父である、
神吉籐太夫(かんき・とうだゆう)を助けただろう!と問う仙千代。
籐太夫の首をはねればいいやん~と助け船を出す丹羽長秀(にわ・ながひで)
しかし籐太夫は志方城に逃げちった~と告白する村重

どうせ志方も落とすからいいやんとかばう羽柴秀吉
そうだそうだ、志方を落とそうと援護する明智光秀
しかし村重の不始末を上様にチクる!と断じる仙千代



【~感想~】
「人格変わっちまったの?」とも思える仙千代くん。w
重臣の村重にやたらと上から目線、何かと言えば「上様連呼」してるし、
長秀や光秀の取りなしも無視、上様に報告せねばネバネバ攻撃。

なしてこんなに偉そうに彼が軍議に出席できるのか?
それに、こんな若造の目を気にしすぎの村重も気になるんだけど、
仙千代って信長の命で送りこまれてる「監査役」なんだよね。
少なくとも台本(=ノベライズ本)では、そうなってる。(T_T)

今回はドラマを見てからノベライズ本を読んでみたんだけど、
ドラマ本編だけ見てる人には分かりにくいだろうね、これ。
な~んか、仙千代が嫌な奴にしか見えないんだな。

それとも、これが火種になって、仙千代と村重の間に遺恨が残り、
有岡城の攻防戦において、村重の放つ鉄砲で仙千代が戦死するとか?
そうでもしないと、この場面が意味不明・・・なんだよなぁ。

【第4場:夜陰の村重と光秀】
これまでの働きからすればたいしたことではない、
上様も許してくださる~と、村重を気づかう光秀。
どれほど尽くそうとも、尼子の様に捨てられるのでは?と、
乾いた笑いと共に答える村重。



光秀が村重になして好意的か?というと、光秀の娘=お倫(りん)が、
村重の嫡男=村次(むらつぐ)に嫁いでいるからだそうです。。
少なくとも、台本にはそう書いてある・・。(またかよ!)

こういう大事な所、すっ飛ばしてるわけですが、
この点も「知ってるの前提」のドラマなんですかね・・・。

てかさ、薄っぺらく歴史事実を切り貼りしながら、
その時間軸ってもんを単に映像化していくんじゃなくて、
「何故、人はこう動くのか?」っていう行動原理の部分を描こうよ。

「ドラマ=演劇を観てる」っていう気にはなれないんだな。
例えて言えば「歴史スライド動画集」みたいな感じ。(-。-;)

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