ひととき。 | アライグマが消えた家

ひととき。


蝉が鳴きはじめた頃



信号待ちの車窓から外を眺めた



同じ向きで歩道に立つ黒いワンピースの君は



日傘で顔が隠れていたけど



姿が背景から浮き出てみえるような


綺麗な絵のようでした。



本当は



もっとちゃんとした言葉で書きたかったけど



不運にも僕の電話が鳴った



あ~あ




こうやって人はトキメキさえも日常に流されていくんだね



あすゆ