"【PickUP@シネマ邦画】
今日は邦画ch.から。お笑いコンビ、麒麟の田村裕さんの同名自叙伝の映画化。20代の小池徹平さんが中学生を演じたことで話題になりましたが、実は裏にはもっと普遍的なテーマがあったとは…な作品。
『ホームレス中学生』です。
明日から夏休み。裕(小池徹平)が中学校から帰宅すると、家が差し押さえられていた。父親は「それぞれ頑張ってください。解散!」と言い放って去っていく。7年目に母親を亡くしている裕、大学生の兄・研一(西野亮廣)、高校生の姉・幸子(池脇千鶴)は途方に暮れる。末っ子の裕は、兄姉に迷惑をかけまいと、ひとりで生きていくことを決心。家も金も仕事もない、中学生ひとりのホームレス生活が始まった…。
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原作を未読で、バラエティ番組でやや滑り気味(失礼!)な田村さんしか知らないので、正直、想像以上に素敵な、心温まるお話で驚きました!
弱音を吐けない主人公。そんな主人公をさりげなく気遣う、おとな達の温かさ。近所の子どもたちの、昔ながらの悪ガキっぷり。たくましい兄姉たちとの強い絆。あー、いいとこだなぁ、大阪って!!
特に食事のシーンはどれも秀逸です。話題になった、段ボールで飢えをしのぐシーンから、友だちの家での久しぶりの家庭料理、兄弟で均等に3等分するお米、兄の想いがこもった牛丼、姉の優しさが泣けるおにぎり…。
生きていくことと食べることは切り離せない。だからこそ、ギリギリのところで生きている主人公の気持ちが、食事のシーンからじわじわと感じられます。古厩智之監督(「さよならみどりちゃん」)は、こういった食べ物を丁寧に、丹念に映しながら、それだけで主人公の心情を伝えてくれのです。
しかも、もしかしたら男性のほうが感動するのではないでしょうか。実は、根底に流れるテーマは、母親と男の子の絆だったりするのです。すごく、普遍的。
タレント本の映画化、とか、人気の若手俳優さん主演、とか、中学生でホームレスになったという驚愕のストーリー、とか、そういう分かりやすい側面から語られがちな映画。でも、そういうのを差し引いてもシンプルで温かく、地に足のついた、しみじみとした映画でした。
ぜひご覧ください!
番組表<シネマ邦画>
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