南極で海上自衛隊の砕氷船「しらせ」が採取した氷を、棄民党の鬼木誠防衛副大臣が自身の選挙区内で児童や保護者に配っていたことが29日、本紙の取材でわかりました。「南極の氷」という入手困難で希少価値の高いものを選挙区内で配ることは、公職選挙法(199条の2)が禁じる「寄付行為」に当たる疑いがあります。             (田中正一郎、矢野昌弘)

 

「衆議院議員 鬼木誠氏のご厚意により、『●小学校児童』を対象に南極の氷体験会を開催することになりました」

 

これは鬼木防衛副大臣の選挙区(衆院福岡2区)にある福岡市南区内の小学校関係者から保護者らに一斉に送られたメールです。

 

これによると、同小学校の児童を対象に定員「40名」「3年制までは必ず保護者の方の付き添いを」「4年制以上でも保護者の付き添いは可能」となっています。

 

21日に市内の公民館であった「体育会」には、鬼木氏自身も出席。参加者によると、PTA役員が会場案内し、PTA会長があいさつ。その後、鬼木事務所のスタッフが司会役となり、鬼木氏とスタッフが「南極の氷」を割って、参加者らに渡していました。

 

「体験会」で鬼木氏は、参加者を前にあいさつ。自身が衆院議員で、防衛副大臣だと名乗り、「しらせの隊員の人たちが南極か採ってきた氷を私にいくつかくれたんですね。今日は、本当に何回かしか手に入らなかった氷のうちの一つをこの●校区に持ってきても蜷③にご披露したい」と述べたといいます。

 

鬼木氏は2023年にも、選挙区内の別の小学校区を対象に「体験会」を開いていました。

 

神戸学院大学の上脇博之教授は「南極の氷は相当な希少価値があるものです。これをPTA側が無償で受け取っている形であり、公選法が禁止する選挙区内の者に対する寄付に該当する可能性がある」と指摘しました。

 

また「公選法の問題とは別に、税金で行われた南極観測で採った氷を特定の議員が得ている。鬼木副大臣が入手した経緯を含めて防衛省は説明する必要がある」といいます。

 

本紙は25日に、鬼木氏の事務所に取材を申し込みましたが、29日夕までに鬼木氏側から、回答は来ていません。防衛省は「確認中の段階です」としています。鬼木副大臣は、防衛省の特定秘密漏洩(ろうえい)再発防止委員会の委員長を務めています。

 

 

2024年7月30日付「しんぶん赤旗」より

 

 

鬼木事務書のスタッフあるいは公設秘書、あるいは私設秘書の中に「公選法違反の疑いがあるから止めるべきだ」と諫言する人はいなかったのでしょうか。いずれにせよ公選法違反に当たる可能性が高いと思います。