日米両政府は28日、外交・軍事担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)と都内で開催しました。共同発表文書に、東京・横田基地に置かれる在日米軍司令部について、ハワイのインド太平洋軍司令官の下で「統合軍司令部として再構成」すると明記。ラウネン3月に創設される自衛隊の「統合作戦司令部」(約240人)の「重要なカウンターパート」だと位置付けました。

 

今後、作戦部会を設置して具体化を図りますが、最大の焦点となるのが日米の指揮統制関係です。共同文書は、「日米の指揮・統制構造の関係を明確にする」としていますが、「独立した指揮系統」になるとは明記していません。

 

自衛隊は装備・情報両面で圧倒的に優位な米軍の指揮下に組み込まれる可能性は髙い。国際法違反の先制攻撃まで選択肢に入れている米軍主導の戦争への参戦を拒むことが困難になること困難になるなど、主権に関わる重大な動きです。

 

現在の在日米軍司令部の機能は基地の管理などに限定されており、部隊の運用や共同作戦計画の立案などはインド太平洋軍司令部が担ってきました。今後、こうした昨日を日本に移転するする形になるとみられます。また、消え遺体も陸海空といった複数の軍種を束ね、部隊を運用する統合作戦司令部を初めて創設。日米双方の統合司令部が連携強化を図ることで、中国を想定した共同出撃体制を強化する狙いです。

 

 

また、共同文書はF35ステルス戦闘機で使用する中距離空対空ミサイル(AMRAAM)や地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の生産能力体制の強化を表明。米国はPAC3をウクライナや、パレスチナ自治区ガザで大規模虐殺を続けているイスラエルへ供給しているため、在庫が枯渇。その穴埋めが狙いです。殺傷兵器の輸出に道を開いた現行の防衛装備移転三原則でも禁止されている、紛争当事国への輸出につながるものです。

 

さらに両国政府は2プラス2と並行して、米軍の「核の傘」=核兵器を含む「拡大抑止」に関する閣僚会合を」初開催。同会合に関する共同発表は、核戦力を強化する中国などを名指しし、米国の核政策や核体制について閣僚級の議論を継続していますが、その位置づけを高める方針です。79年前、広島・長崎に原爆が投下された8月を前にして、唯一の被爆国・日本で「核兵器のない世界」に逆行する核戦争体制の強化を議論する異常事態です。

 

 

2024年7月29日付「しんぶん赤旗」より

 

 

政府は「自衛隊の指揮統制が日本から離れることはない」と述べていますが、この統合作戦司令部の指揮下に置かれるということが、どれほど危険なことか、日本政府は理解できていないようです。

 

もしも統合作戦司令部が「先制的に中国に1941年12月8日のような「奇襲」をかけるよう命令がきたら拒否できるかどうかです。おそらくできないでしょう。それほど危険なことなのです。