死刑制度の廃止を求めている日本弁護士連合会(日弁連)は11日、死刑制度の在り方などについて考えるシンポジウムを東京都内で開きました。オンラインも含め約520人が参加しました。

 

日弁連の足立修一副会長はあいさつで、2016年の日弁連人権擁護大会で死刑制度を廃止すべきだと決議したことや、今年2月に弁護士や犯罪被害者遺族らが参加して死刑制度のあり方を議論する民間の懇話会が発足したことにふれ、「廃止に向けた世論を広めていきたい」と呼びかけました。

 

小川原優之・日べっB連死刑廃止及び関連する刑罰制度改革実現本部事務局長が、死刑制度に関する国際的な潮流などについて報告しました。死刑制度を廃止した国が世界141カ国に上り、「国際社会からみれば、死刑は野蛮な制度であると理解する必要がある」と指摘。死刑の存続に関する内閣府の世論調査(19年)で、「死刑もやむを得ない」と回答した8割のうち、4割の人が「将来的には廃止してもいい」と答えていることにもふれ、「被害者支援と並行して、死刑制度を見直す必要がある」と述べました。

 

死刑をテーマとした著作などを手掛ける芥川賞作家の平野啓一郎さんと、中央大学大学院の井田良教授(刑法)が対談しました。

 

平野sさんは、08年に東京・秋葉原で無差別殺傷事件を起こした加藤智大元死刑囚(22年に死刑執行)が「誰でもよかった」と供述していたことにふれ、「社会に絶望し、犯行に及んでしまう背景には政治的・社会的な問題が横たわっている。死刑制度については国民全体が考えなければいけないことだと思う」と話しました。

 

井田さんは、「死刑制度があることで犯罪を抑止するどころか逆に誘発してしまうおそれがある」と指摘しました。

 

 

2024年6月13日付「しんぶん赤旗」より

 

 

私は今まで死刑執行があるたびに、死刑に反対する記事を書き込んでいました。しかし一向にこの国では「死刑反対」の世論が盛り上がっていません。誤審の疑いがある事件については、マスメディアが行動を控えているように思うのです。イギリスでは死刑廃止になった理由は、誤審事件があったことによると聴いたことがあります。

 

もしも米国が州レベルではなく連邦ごと死刑を廃止したなら、日本政府は死刑廃止に踏み切るでしょうか。これはかなり注目すべき事例だと思うのです。ちなみに韓国、台湾では何年も執行がされておらず、事実上の死刑廃止国とみられています。

 

しかも日本で行われている」のは「死刑」の名にも値しない「国家による密殺」です。本当に死刑を執行するなら、いつ、どこどこの拘置所で、誰々に対して、何々の罪で死刑を執行する、と官報に載せるか掲示板で周知しまければならないのですが、日本政府はこれを全くといっていいほど行っていません。執行直後の法務大臣の記者会見のみです。米国のケースだと執行直前まで記者会見をしたり、家族と面会ができることと比べて、秘密主義が徹底されています。この日本の在り方は大いに問題があるように思われます。