一般職の女性に社宅制度の利用を認めないことは女性差別だとして、AGCグリーンテック(加藤博社長、東京都千代田区)の女性社員(44)が同社に損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、東京地裁でありました。別所卓郎裁判長(瀬田浩久裁判長代読)は、間接的な男女差別に当たると認め、そうした措置を漫然と続けたのは違法として、原告に賠償と慰謝料系約380万円を支払うよう同社に命じました。

 

男女雇用機会均等法は女性に満たしにくい要件を課し、実質的に女性を排除する「間接差別」を禁止しています。原告弁護士団によると、間接差別を認める半切は初めてだといいます。

 

判決は「事実上男性従業員のみに適用される福利厚生の措置として社宅制度の運用を続け、女性従業員に相当程度の不利益を与えていることについて、合理的理由は認められない」と指摘しました。

 

同社は、総合職男性には家賃の8割を会社が負担する社宅制度を適用してきました。住宅手当がわずかに支払われる一般職女性とは最大24倍と著しい格差がありました。社宅制度を利用できた総合職は男性29人に対し、女性は1人でした。

 

判決後、厚生労働省内で記者会見をした原告弁護士の平井康弁護士は同社に対し、「本判決を真摯(しんし)に受け止め、男女差別の是正を自ら図ることを求める」とする声明を読み上げました。また間接差別を初めて認めることにより、「女性差別の是正の道を大きく開いた」」と語りました。

 

原告は「待ちに待った答えを頂けた」と判決を歓迎し、「同じ思いをしている一般職の人にも影響があるといい」と語りました。

 

判決は、一般職男性との賃金差別は認めませんでした。同社は大手ガラスメーカーAGC(旧旭硝子)の子会社です。

 

 

2024年5月14日付「しんぶん赤旗」より

 

 

私の上の娘は総合職として元国営の企業に勤務していますが、このようなことはないと信じたいです。社宅にも入居していたぐらいですから大丈夫と信じたいです。