自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、政治資金収支報告書に計約6億7000万円の収支を記載しなかったとして、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた安倍派(清和政策研究会)会計責任者の松本淳一郎被告(76)の初公判が10日、東京地裁(細谷泰?裁判長)でありました。同被告は起訴内容を大筋で認めましたが、一部については虚偽記載の認識を否定しました。

 

裏金事件は、「しんぶん赤旗」日曜版(2022年11月6日)のスクープをうけ、神戸学院大学の上脇博之教授が安倍派などの不記載を東京地検に刑事告発したことが端緒になりました。

 

安倍派をはじめとする複数の派閥では、パーティー券販売ノルマの超過分をキックバック(還流)する仕組みになっていました。

 

検察側の冒頭陳述によると、松本被告は安倍派の18~22年分の収支報告書に計約6億7500万円の収入と支出を記載せずに提出しました。同被告は19年1~2月ごろ前任者から引き継ぎを受る際に、ノルマ超過分の収入とキックバックの支出とキックバック分の支出報告書に記載しないとの説明を受けたといいます。

 

安倍派ではノルマ超過分を派閥に納入せず、手元に置いたままキックバック分を゛中抜き゛していた議員もいました。またノルマが課されなかった議員や参議院選挙がある年に同選挙へ立候補を予定している議員らには、販売分の全額をわたしていました。

 

後半で松本被告は、一部の議員側が派閥に入金せず゛中抜き゛した金額は「終始報告書を提出した時点で認識していなかった」と一部を否認し、それ以外の事実関係は認めました。

 

国会では、キックバックをいつ誰が始めたかなどの解明が焦点になっています。ただ初公判で検察側は歴代の会長、事務総長をはじめ同派に所属している国会議員の関与については明らかにしませんでした。

 

 

2024年5月11日付「しんぶん赤旗」より

 

 

この事件に関しては、東京地検特捜部は、裏金事件に関わったとされる議員を誰一人として立件できませんでした。つまりこの事件については東京地検は完全に敗北しているのです。だからこそ今回の政治改革では連座制の導入が検討されているのです。おそらく議員を引退しても時効にかからなければ、立件されることになりと思われますし、そうあるべきです。

 

また「選挙制度」をいじくるようなエセ「政治改革」にしてはなりません。野党、とりわけ共産党、れいわ新選組、社民党の奮起を願っています。