下村博文元文部科学相の事務所が作成した日報には、安倍派(清和政策研究会)のパーティー券について、購入者とのやりとりも記されています。

 

第三者が協力

 

2014年4月17日の日報には、初めて派閥のパーティー券購入を依頼されたあっる企業の社長が「びっくりした」と述べた様子が記されていました。この社長は「派閥のパーティーは他の先生からも頼まれているし、大臣個人には大いに協力したい」として、「報告(政治資金収支報告書)に載らない、20万円でよいかな?」と離したとされています。

 

政治資金規正法では、パー券購入額が20万円以下は収支報告書に購入者名を記載する義務がありません。このため社長は名前が表に出ないこを意識して購入金額を決めたと考えられます。

 

同日の日報には、第三者がパー券の販売に協力している様子も残されています。ある画家は「7、8枚協力してくれる大物を見つけたから、8枚は送って」と下村事務所に求めています。

 

同23日の日報では、ある私立学校法人の関係者が下村事務所っを訪問。下村氏の秘書はこの私立学校が「10枚ご協力いただける」ようだと書いています。私立学校によるパー券購入は私学助成金が゛還流゛することにもなり、現職文科相としてのモラルが問われます。

 

5月9日には業界団体から20万円の入金があったとしたうえ、下村氏の妻に「お伝えしました」と細かく報告しています。

 

パー券の販売ノルマ達成を確認したのはパーティー前日の5月12日。「本日の入金確認で目標額は達成いたしました」とあります。同21日には、派閥に追加で「500万円本日お届けいたしました」と記述しています。日報が書かれた14年当時の下村氏のパーティー券の販売ノルマは不明です。ただ下村氏は新型コロナウィルス流行直前のノルマが750万円だったと衆院政治倫理審査会で述べています。

 

疑問に無回答

 

この政倫審で下村氏はキックバックを初めてうけたのは、19年からとしています。つまり14年当時はキックバックがなかったことになります。このためか、日報にはキックバックをうかがわせる文言は出てきません。

 

下村氏は政倫審で派閥がキックバックをしていたことを知らなかったので、自身へのキックバックは認識していなかったとしています。しかし日報でパー券販売状況を逐一報告している秘書が、キックバックが始まった時に、下村氏へ本当に報告していなかったのか、疑問が残ります。下村事務所に質問しましたが、回答はありませんでした。

 

 

2024年5月8日付「しんぶん赤旗」より

 

 

日報が残っていることを、下村氏は政倫審で語っていなかったことになります。全会の政倫審で明らかになっていなかったことを、近々に再度開かれる政倫審に下村氏を召喚して真相を明らかにしなければなりません。