「恥まる前から厳しい状況だった。何をやっても埋められなかった。すべての取り組みが効果なし。岸田首相が島根に2回入ったが逆効果だった。逆風というより冷たい風が吹いていた」

 

不戦敗含め自民党が全廃した衆院3補選投開票から一夜明けた20日、自民党議員の一人は、国民にそっぽをみぁえる政権党の苦境を吐露しました。

 

「一番肝心な真相究明の部分でモヤがかかったままだ。このままでは何をやっても信用されない。処分も中途半端。法改正の対応も遅いし中身が薄い。すべてがツーリトル・ツーレート(小さすぎるし、遅すぎる)。これでは支援者の納得さえ得られない」

 

裏金明代での政権への不信任をみとめざるを得ません。

 

自民党が唯一候補を擁立した保守王国・島根でも大差の敗戦。メディアの出口調査でも、投票した8割近くが裏金問題を重視したとし、「重視した」人のうち65%が立憲民主党公認で共産党が自主支援した亀井亜紀子に投票しました(「毎日」)。

 

「しんぶん赤旗」の裏金スクープに注目し独自の調査も重ねて刑事告発した上脇博之神戸学院大学教授(憲法学)は「裏金事件の影響は思った以上に大きかった。弔い合戦となった島根でも大差で負けている」と指摘。「加えて自民党が候補を立てられなかった長崎・東京で維新が勝てなかった。つまり第2自民党も負けた。三つ買ったのは野党共闘だ。市民と野党の共闘が力を持つという希望を再び示した」と語ります。

 

ただ投票が低く課題は残るとし、「裏金をなくす政治改革」に向けた積極的提案とともに「野党共闘への積極的支持を広げるには、国民生活が変わるという『政治を変える』政策を示すことが重要だ」と語り、国会内外での市民と野党の闘いを強調しました。

 

自民党閣僚経験者の一人は「裏金スクープも含め、野党3勝は共産党の力が大きい。選挙協力が絶大な威力をを見せた」と指摘します。

 

揺らぐ自民党政治に対し、野党はこれに代わる共闘の対決軸を国民に示せるかが改めて政治の大きな焦点となっています。

 

立憲民主党の手塚仁雄衆院議員は「東京15区での市民と野党の共闘による勝利はとてつもなく大きな価値がある。いま政治が変わっていく潮目の変化に直面していると感じる」と強調。「『利権やお金で動く古い政治と決別し、まっとうな政治を』との境なつみ候補の訴えが、無党派を含む幅広い有権者の支持を集めた。ぶれずに都知事線、都議補選、解散・総選挙へとつまぎたい」と語ります。

 

 

岸田首相による「会期末解散」もささやかれるなか自民党議員の一人は語ります。

 

「早期解散に突っ込めば『政権交代』、少数野党への転落もある。自公VS野党共闘の一騎打ちの構図をつくられたらビックリするような結果になる」

 

 

2024年4月30日付「しんぶん赤旗」より

 

 

予想以上に自民党は、今回の衆院補選の結果に驚いているようです。とりわけ東京15区と島根1区の勝利から得られる教訓は、「野党が共闘すれば自民党に勝利することが可能だ」ということです。「野党各党が小異を捨て、大事に向けて協力し共闘すれば、選挙戦に勝利することが可能だ」ちうことです。この「野党」には、日本維新の会や参政党、そして最近結成された右翼的・ファッショ的主張を繰り広げる政治勢力は含めません。国民民主党はケース・バイ・ケースでしょう。各選挙区の個別事情によります。