【カイロ=秋山豊】パレスチナのガザ地区ハンユニスのナセル病院などが破壊され、その敷地内・周辺で多数の遺体が発見されたことについて、ターク国連人権高等弁務官は23日、「恐ろしいことだ」と述べ、独立した調査を呼びかけました。同氏は「病院は国際人道法の下で特別に保護されなくてはならない。民間人や拘束されている人、戦闘から離脱した人を故意に殺害するのは戦争犯罪だ」と指摘しました。

 

イスラエル軍は今年2月以降、ナセル病院を襲撃し、今月上旬に撤退しています。現地救助隊のマハムード・バサル報道官は23日、本紙の電話取材に、同病院敷地内の地中からこれまでに発見された遺体の数を310と話しました。ガザ当局は、イスラエル軍が殺害した住民の遺体を隠すために地中深く埋めたと主張しています。女性や高齢者、手錠をかけられて衣服をはぎ取られていた遺体などがありました。遺体の上には廃棄物が埋められていました。

 

バザル氏は、遺体はイスラエル軍が「処刑した」ものだ、「腐敗した遺体、拷問や虐待を受けた痕跡のある遺体、臓器が盗まれた遺体、頭部がない遺体もある」と語りました。

 

イスラエル軍は、ハマスに拘束された人質を捜索していた部隊が、パレスチナ人によて埋められた遺体を調査した後で戻したと述べています。

 

イスラム享禄機構(CIC・57カ国)は、イスラエルが「大虐殺を続けている」と批判し、大勢の人が切りされて埋められたことについて「戦争犯罪であり、人道への罪だ」と指摘。「国際刑事法の下で調査し、説明責任を追及し、制裁を加えることが必要な組織的国家テロとみなす」と強調しました。

 

エジプト外務省は「21世紀にもなって、こんなにも目に余るやり方で、国際法と人道的価値の侵害が続いているのは尉官であり、恥ずべきダ」と述べ、イスラエルを批判しました。

 

ヨルダン外務省も「国際法と人道の原則に甚だしく違反し、国際社会に対する犯罪だ」と批判しました。

 

 

2024年4月25日付「しんぶん赤旗」より

 

 

何回も書いていますが、ナチスの「ホロコースト」を経験したユダヤ人の国であるイスラエルが、なぜ、このような残虐で非人道的なジェノサイドを行えるのか不思議でしたが、これはやはり「国としてのイスラエル」と「民族としてのユダヤ人」とを切り離して考えなければならないように思えるのです。

 

いずれにせよ、これは明らかに「戦争犯罪」であり「人道に対する罪」です。