英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は24日、4月10日にワシントンで予定されている日米首脳会談で、米軍・自衛隊の共同作戦計画や訓練を強化するため、在日米軍司令部の再編で合意する見通しだと報じました。インド太平洋軍司令部の機能移転が有力案として浮上。同紙は1960年の日米安保条約調印後、日米同盟に関する最大の更進だとしています。

 

同紙は、自衛隊が2024年度末に実働部隊を一元化に指揮する「統合作戦司令部」を創設し、長射程ミサイルを導入するなど、軍事力強化を加速している一方、在日米軍司令部の機能はほとんど変化がないと指摘しています。同司令部は在日米軍基地・部隊の管理が主任務で、訓練の立案や選時の指揮権など運用面での権限はハワイのインド太平洋軍司令部にあります。

 

現在、バイデン米政権は、インド太平洋軍司令部の一部である米太平洋艦隊に統合司令部隊を設置する安を検討中。在日米軍司令部(中将)より上級の太平洋艦隊司令官(大将)が日本に半ば常駐し、支援を行うとしています。事実上、インド太平洋艦隊軍司令部の機能移転です。

 

同司令部は太平洋から中国、インドなど地球の役半分を「責任区域」としています。「極東の平和と安全」を建前とする日米安保体制は決定的に変質することになります。

 

林芳正官房長官は25日の記者会見で、統合作戦司令部の創設を踏まえ、「日米間で相互運用性と即応性を高めるため、指揮統制に係る連携力強化について議論っを行っている」と認めました。また、24年度米国防権限法は、在日米軍の態勢や指揮系統の見直しや検討し、6月1日までに議会に報告するよう国防総省に求めています。

 

日本共産党の志位和夫委員長(当時)は昨年10月25日の衆院本会議で、統合作戦司令部の創設で「インド太平洋軍の指揮のもとに、、自衛隊が事実上組み込まれることを意味するのではないか」と告発。この危険がいよいよ、現実のものになりつつあります。

 

 

2024年3月26日付「しんぶん赤旗」より

 

 

おそらく「しんぶん赤旗」が述べているように、自衛隊が米軍に一部として組み込まれ、米国の世界戦略の一部としての役割を持たせられるようになります。そして米国の狙う中国侵略戦争に否応なしに協力させられることになると思われます。