自衛隊幹部によると靖国神社への集団参拝が相次ぎ発覚する中、靖国神社は15日、第14代宮司に元海上自衛隊海将で前ジブチ大使の大塚海夫氏(63)が就任すると発表しました。4月1日付。自衛官出身の宮司は1978年に第2次大戦のA級戦犯を合祀(ごうし)した第6代の松平永芳氏以来2人目で、償還経験者としては初めてです。

 

靖国神社によると、総代会で現職の山口建史宮司(75)が退任し、後任に大塚氏が就くことが決まりました。

 

大塚氏は、防衛大学校を経て海自に入隊。自衛艦隊幕僚司令部幕幕僚長や海自幹部学校長、防衛省情報本部長などを歴任し、2019年に退官しました。

 

元陸上幕僚長の火箱芳文氏が23年に靖国神社崇敬者総代に就任したと、同氏が理事長を務める偕行社が公表しています。

 

火箱氏は昨年、日本会議の出版物『日本の息吹』8月号で、自衛隊の戦死に備えて靖国神社を国家の「慰霊顕彰施設」として「復活」させようと主張しています。靖国神社は戦前、陸・海軍省が所管する国家施設で、日本の軍国主義精神的支柱でした。戦後、旧日本軍と軍国主義に決別したはずですが、元自衛隊幹部が同神社の支え手となっている点も注目されます。

 

 

2024年3月16日付「しんぶん赤旗」より

 

 

靖国神社=戦争神社は常に新しい「神」を欲する神社なのです。それは現職の自衛隊員が戦死することのみにより成し遂げられることなのです。新しい「合祀者」など生んではなりません。ましてや国が管理することなど、政教分離の原則に明確に違反しています。昨今の現職自衛隊員の参拝により、戦後発足した自衛隊の隊員の「精神的支柱」として、再度復活を遂げようとしているのです。こうした動きにたいしては、断固反対の声を上げていかなくてはなりません。

 

同神社が所管する遊就館=日本唯一の兵器博物館も鼻持ちならない施設です。かつてのアジア・太平洋戦争を「アジア解放のための聖戦」と位置づけるイデオロギーに満ち満ちています。「玉砕」や「散華」といった用語があふれているのでしょう。これは青少年に悪い影響を与える施設です。「平和日本」にふさわしくない施設です。即刻閉館すべきです。