【チャールストン(米南部サウスカロライナ州=島田峰隆】米軍は2日、ヨルダンで米兵3人が殺害された無人機攻撃への報復として、イラクとシリアで親イラン武装組織の拠点への空爆を開始したと発表しました。イラン国内への攻撃は避けたものの、米軍の行動は中東地域の緊張をますます高める危険があります。

 

バイデン大統領は2日の声明で「繁劇はきょう始まった。われわれが決めるタイミングと場所で継続する」と表明しました。

 

米政府の発表によると、米国を出発した長距離爆撃機などがイラン革命防衛隊や親イラン武装勢力が使う7施設の85カ所超を30分空爆しました。7施設のうち四つはシリア、三つはイラクにありました。

 

イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が始まった昨年10月7日以降、米軍はイラク、シリア、ヨルダンで160回以上の攻撃を受けています。

 

米外交政策のシンクタンク、クインシー研究所のトリタ・パーシ副所長は2日、X(旧ツイッター)で「パレスチナのガザでの停戦抜きにはバイデン氏の戦略は中東地域の緊張をさらに高め、バイデン氏自身が避けたいと言っている戦争に米国を巻き込むだけだ」と批判。「停戦こそが米軍への攻撃を減らす」と強調しました。

 

ヨルダンの駐留米軍は1月28日に無人機攻撃を受けました。米政府はイラクの親イラン武装組織の連合体「イラクのイスラム抵抗運動」による犯行だと断定しました。

 

 

2024年2月4日付「しんぶん赤旗」より

 

 

米軍はイラン国内には空爆をしませんでした。これでも一応セーブしたということなのでしょう。もしも共和党政権なら、イラン本国に対する空爆まで踏み込んでいたでしょう。しかし米軍がこの地域で戦闘に参加したことにより、中東はますます不安定さを増すことになると思います。