「大阪万博で建物される建物は一つひとつが特殊な仕様」「現下の市場を念頭に置いた際に、これで足りるのか」ー2025年開催予定の大阪・関西万博の会場建設費や運営費が大幅に上振れしている問題を踏まえ、識者から会場建設費がさらに上振れするのではないかとの懸念の声が上がっています。

 

1月25日、経済産業省が有識者委員会「万博予算執行監視委員会」(梶川融座長)の初会合を開きました。同委員会は、万博の費用が適正なのかを検証するとされている組織で、学識経験者や建設コンサルタント会社幹部らで構成されています。同委員会設置にさきだち、1月16日に岸田文雄首相が「外部専門家の知見も活用し、費用の適正性を継続的にモニタリングする」ことを目的に有識者委員会を設置すると報道機関の質問に書面で回答していました。

 

同会合では、「仮に想定で想定した以上の比率で物価が上昇する場合等には、国民に定期的にまた適時に情報を開示することで説明責任を果たすべき」だとし、執行管理については「理事会に出てきた資料だけを見て事後にチェックするだけではなく、これから行われようとしている調達の状況も先回りしてみる必要がある」との声も上がっています。

 

万博費用を巡っては、「会場建設費、運営費、委託費」の三つの予算枠組みが設けられています。このうち会場建設費と運営費は既に上振れしており、国、大阪府、大阪市、経済界が3分の1ずつ負担する会場建設費は、既に誘致時の1250億円から23年10月時点で2350億円と当初の約2倍に上振れしています。また、主に入場料収入で賄われる運営費は1・4倍の1160億円に上振れしています。

 

 

2024年2月2日付「しんぶん赤旗」より

 

 

なぜこんなに予算が上振れするのかですが、当初の予算策定が甘かったというほかはありません。国、大阪府、大阪市、経済界の予算に関する打ち合わせの場は、どうなっていたのでしょうか。どこかに齟齬がうまれてしまったのだと思います。