陸上自衛隊のナンバー2の小林弘樹陸上幕僚監部副長(陸将)ら幹部が9日に公用車で靖国神社を集団参拝した問題(本紙11日付既報)で、防衛省は宗教施設への部隊や組織的な参拝を禁じた事務次官通達(1974年)に反する可能性があるとして11日、詳しい経緯を調べることを明らかにしました。

 

同省によると、小林副長は9日午後に時間休を取得して、陸自幹部ら数十人と参拝しました。参加したのは小林副長を委員長とする陸自の航空事故調査委員会の関係者。仕事始めの安全祈願を目的として計画したとしています。

 

本紙は9日、靖国神社を訪れた小林副長を取材。同氏は午後3時半ごろに公用車のミニバンで神社南門に到着。その後、先に来ていた自衛隊幹部らと本殿で参拝。北門から再び公用車で小林副長を確認しました。

 

参拝の直後、本紙の取材に小林副長は自衛隊の参拝が「毎年の高齢なので」と答えました。公用車を使ったことについては「時間ですので」と回答しませんでした。

 

小林副長の話からは、陸自幹部らの集団参拝が恒例行事となっていることが強く疑われます。小林副長は本紙に「私的(参拝)です」と述べました。能登半島地震への対応中に幹部が数十人もがいっせいに参拝するのは不自然です。私的を装った公式参拝だったことも疑われています。今回の参拝だけでなく、昨年以前の参拝についても調査する必要があります。

 

 

2024年1月13日付「しんぶん赤旗」より

 

 

いくら休暇を取得したと言っても、いくら平服で参拝したと言っても、公用車を使用して数十人が参拝すれば公式参拝と言わざるを得ません。

 

靖国神社は常に新しく祀られる人を欲しているのです。だからこそ極めてたちの悪い存在です。将来の自衛隊員が戦死、もとい殉職した場合、靖国神社に祀るということを今回の公式参拝で明らかにしたと言えるでしょう。肝心なのは国家が行った世相の殉職者を祀るという点です。だから先の戦争で空襲にあって亡くなった人たちは祀られていませんし、西南戦争で明治政府に戦争をし

かけた西郷隆盛や篠原国幹や村田新八は祀られていません。

 

私見ですが、戦後自衛隊は旧軍隊の佐官級、尉官級の旧軍人を採用してきました。私は彼らを通して旧軍隊の(とりわけ陸軍の)統制派のイデオロギーが流れ込んだのではないかと考えています。