
あまりに本紹介をしていなかったので、最近読み終えた本でも…。
ちょこちょこ読んでいるんですが、金融関係の本を紹介してもおもしろくないので。
ロジャー・シュワーツ/寺村真美+松浦良高訳
『ファシリテーター完全教本』(日本経済新聞社、2005年)です。
自分の研究とあんまり関係ないといえば関係ないのですが、
ワークショップをはじめとして議論の一番基礎となる
ファシリテーションスキル(議論の流れを管理する手法)を磨きたいと思ってます。
特にこのスキルが卓越している職業としてコンサルタントをあげることができます。
いろんなところで顧客の間に立って議論することに慣れているからなんでしょうね。
金沢まちづくり市民研究機構では、現役都市計画コンサルの人が抜群でした。
とはいえ、「ほんとにコンサルやってたの?」という人もいましたが…(笑)
僕がまずはコンサルのような仕事に就きたいなぁと考えているのは、
この辺のスキルの重要性を痛いほど認識しているからかもしれません。
ずいぶん話がそれてしまったように思いますが、上に示した本は、
とにかく「現状分析―介入サイクル」という概念を頭にたたき込むためか、
この概念を形を変えて(場合によっては形を変えずに)くどいほど何度も出てきます。
なんじゃそりゃということで…
<現状分析のステップ>
1.言動を観察する
2.意味を推察する(なるべく低次の推察にとどめる)
3.介入すべきか、どのように、なぜ介入するかを決める
<介入のステップ>
4.相手の言動について説明する(正しいか誤りかを確認)
5.ファシリテーターの推察をグループで共有する(正しいか誤りかを確認)
6.言動を変えるかどうか、どのように変えるかを決める手助けをする(正しいか誤りかを確認)
とはいえ、こういう型を身体に埋め込むというのはそう簡単にできるものではないわけで、
何度もそのサイクルを試して振り返らないとスムーズに使うことはできないでしょうね。
まさに「トライアンドエラー」です。
基本的にファシリテーションの現場が想像できる人にはオススメです。
「ファシリテーションってなによ?それって役に立つの??」って人は、
まず、初心者向けの本を読んだほうが頭に入りやすいと思います。