お世話になっております。
はせがわです。
たまには写真ブログらしいことでもやろうかと思います。
先日、珍しくカメラを伴ってHistorical Centreという場所に行ってまいりまして、実際はそこらへんを少し歩いただけなのですが、思っていたよりもいろいろなものが目に入りました。
今回は、そのときに撮った拙作を何枚か載せながら、私の留学先の様子を少し振り返ってみようと思います。
そもそもHistorical Centreってなによ
今回行ってきたのは、先ほど申し上げました通り、リマのHistorical Centreです。
日本語にするとたぶん「歴史地区」とか「旧市街」とか、そのあたりの意味になるのでしょうが、正直なところ、私も行く前はそこまでよく分かっていませんでした。
調べてみると、このあたりは単に古い建物が並んでいる場所というわけではなく、そもそもリマという都市そのものの中心として作られた場所らしい。
リマは 1535年にフランシスコ・ピサロによって建設され、その後はスペイン植民地支配のもとで、ペルー副王領の中心として発展していったそうです。つまり、Historical Centreというのは、 ざっくり言えば、植民地時代のリマの中心部が今もかなり残っている場所という理解で、ハズレはないのでしょう。
大聖堂や大統領官邸のような、いかにも「この街の偉いものはここに集まっています」という顔をした建物がこのあたりに固まっているのも、その歴史の延長線上にあるようです。地区の真ん中にあるPlaza Mayorはリマ建設の起点になった広場で、その周囲に宗教と政治の中心が並ぶ形になっているらしいので、とりあえず観光するならまずそのへんに行くらしい、という私の雑な理解も、結果的にはそんなに的外れではなかったようです。
しかもこのHistorical Centreは、いまではユネスコの世界遺産にも登録されています。最初の登録は1988年で、その後1991年に範囲が拡張されて現在の「Historic Centre of Lima」という形になったらしい。要するに、現地の人にとって大事な場所というだけでなく、外から見ても「これはちゃんと残しておいたほうがいい場所ですね」と認められているエリアでもあるわけです。
とはいえ、こちらとしては最初からそういう歴史を理解していたわけではありません。(以上の全てはこのブログを書くにあたって、初めて知りました汗)
実際に行ってみて最初に分かるのは、もっと単純なことです。
つまり、建物がいちいちでかくて、妙に重たくて、しかも夜に行くとかなり強そうに見える、ということです。ライトに照らされた外壁や装飾は、ただ立派というだけでなく、ちゃんと「昔からここにあります」という圧を出してくる。歴史というのは説明を読むより先に、見た目で押し切ってくることがあるのだなと思いました。
もちろん私は建築に詳しいわけでも、宗教美術に詳しいわけでもありません。
なので細かいことはよく分からないのですが、それでも「なるほど、これはたしかにHistorical Centreと呼ばれそうだな」という感想くらいは問題なく出てきます。
観光というのは、だいたいそのくらいの理解でも成立するので便利です。
ほんで、結局何撮ってきたのよ
というわけで、ここからは現地で撮ってきたものを順に載せていきます。
最初はちゃんと観光地らしいものを見ていたはずなのですが、途中からだいぶ違う方向に目が行っています。
まずは、いかにもそれらしい建物を見る
Fujifilm GFX 100ii + Zeiss Otus 100mm f1.4 Apo Sonnar ZE (100mm, f/2.8, 1/15 sec, iso80)
まず目に入ったのは、やはりこういう、いかにも荘厳な建物でした。
夜のHistorical Centreは、昼間よりもだいぶ“それっぽく”見えます。ライトに照らされた鐘楼や外壁は輪郭がはっきりしていて、とりあえず「歴史がありそうだな」ということだけは、専門知識がなくても十分に伝わってきます。こういう分かりやすい強さがあるので、観光地というのは便利です。
Fujifilm GFX 100ii + Zeiss Otus 100mm f1.4 Apo Sonnar ZE (100mm, f/5.6, 1/40 sec, iso1600)
中にも少し入ってみたのですが、内部は外から見ていた以上に重たく、静かな空間でした。
天井や柱、祭壇の装飾は当然ながらしっかりしていて、夜に見るとそのぶんだけ少し厳かな感じが強まります。私は建築や宗教美術に詳しいわけではありませんが、それでも「立派なものは立派だな」という、かなり雑ではあるが正直な感想くらいは問題なく出てきました。観光というのは、だいたいこのくらいの理解でも成立するので助かります(二度目)。
とはいえ、今回印象に残ったのは、こうした建物の立派さだけではありませんでした。
むしろ通りを少し歩き始めてからのほうが、だんだん面白くなってきます。
通りの人たちがだんだん濃くなってくる
Fujifilm GFX 100ii + Zeiss Otus 100mm f1.4 Apo Sonnar ZE (100mm, f/1.4, 1/320 sec, iso1600)
通りの始点にある広場に出ると、まずいたのはミッキィとミニィでした。
いや、幼少期に住んでいた中国でみた亜種ミッキィ達に比べれば大変クオリティーの高いものですが、本物だったのかと言われると、そのへんはあまり自信がもてません(手の形が生々しいし......)。とにかくそういう感じの二人組が立っていました。
Historical Centreという、いかにも重たい歴史を背負っていそうな場所に、こういう分かりやすいネズミが普通にいるあたり、観光地というのは結局こういうものなのだと思います。荘厳さだけで押し切らず、ちゃんと雑味もあるのがよいところです。
Fujifilm GFX 100ii + GF 32-64mm f4 R LM WR (64mm, f/4, 1/80 sec, iso1600)
さらに歩いていると、今度はマイケル・ジャクソンみたいな人が現れます。
本当にマイケル・ジャクソンなのかと言われればもちろん違うのでしょうが、少なくともこちらに「これはマイケル・ジャクソン的な何かだな」と思わせるだけの説得力はありました。しかも、それが街の風景の中にそこまで浮かずに存在しているのが不思議です。観光地というのは、立派な建物だけ見ていれば済むものではなく、その周囲の人間の濃さまで含めて一つの景色になるのだなと思いました。
Fujifilm GFX 100ii + Zeiss Otus 100mm f1.4 Apo Sonnar ZE (100mm, f/2.8, 1/80 sec, iso800)
しばらく見ていたら、マイケルは狼になっていました。
かの名曲、Thrillerのオマージュなんでしょうが、なんだか弱そうですね(先程のミッキィと違って、手にまで配慮が行き届いていることには感心しました)。
歴史地区を歩いているはずなのに、視界に入ってくるものがいちいち強い。大聖堂や官邸を見に来たはずなのですが、気づけば「今日は街のキャラクターの強さを見に来たのかもしれない」という気分になっていました。
Fujifilm GFX 100ii + Zeiss Otus 100mm f1.4 Apo Sonnar ZE (100mm, f/1.4, 1/320 sec, iso1600)
マイケルとお別れしてお散歩を続けていると、今度は妙に化粧の濃い踊り子が現れます。
私の頭の中ではこのあたりの記憶は、いまだに「マイケル・ジャクソンと変な踊り子に遭遇した夜」としてかなり雑に整理されているのですが、まあ実際、それくらいの情報量はありました。観光地らしい華やかさというより、ただただ人の癖が強い。こちらが建物を見に来ていることを忘れさせるには十分です。
脇に入ると、温度が変わる
ただ、少し脇のほうに目を向けると、今度はまた別の空気が出てきます。
観光客向けに整えられた広場や通りから少し離れるだけで、急に街の温度が変わる。そこには着ぐるみの華やかさとも、大聖堂の厳かさとも違う、もっと普通の生活の気配がありました。
Fujifilm GFX 100ii + Zeiss Otus 100mm f1.4 Apo Sonnar ZE (100mm, f/5.6, 1/20 sec, iso1600)
広場のまわりにある立派な建物や、人を引きつけるための分かりやすい賑やかさとは違って、こちらはもう少し雑然としていて、生活の気配がそのまま出ています。実際、少し外れたところでは、普通に商売をしている人がいる。Historical Centreという名前だけ聞くと、きれいに保存された歴史空間のようなものを想像しがちですが、実際にはちゃんと今も人が使っている街でした。
Fujifilm GFX 100ii + Zeiss Otus 100mm f1.4 Apo Sonnar ZE (100mm, f/1.4, 1/320 sec, iso1600)
さっきまで表通りで見ていた派手な人たちと地続きの存在なのだと思いますが、こうして一人で座っている姿を見ると、急に街の見え方が変わります。観光地の賑やかさの裏には、こういうふうに普通に疲れて、普通に休んでいる人がいる。当たり前のことなのですが、写真にすると妙に印象に残ります。
歴史的な建物にも、路上パフォーマーにも、商売をしている人にも負けず、あの猫はずいぶん堂々としていました。別に何か特別なことをしているわけではなく、ただそこにいるだけなのですが、それが妙にしっくりくる。そこで見た人間がいろいろと濃すぎたせいか、最後にああいう静かなものを見ると少し安心します。
おわりに
結局、大聖堂や大統領官邸を見に行ったはずなのに、むしろ、通りにいた妙に濃い人たちや、少し脇に入ったところで普通に商売をしている人、裏道で休んでいる踊り子の少女、最後に見かけた猫のほうが、今の私には「リマを歩いた感じ」として強く残っています。
歴史地区というと、つい立派な建物のことばかり考えてしまいますが、実際にはそこもちゃんと人が生活している街でした。
たぶんその雑多さまで含めて、Historical Centreなのだと思います。今回はその一部を、少しだけ写真に残せました。
あと、久しぶりにちゃんとカメラを持って歩いたのですが、やはり重いものは重い。
観光のついでに気軽に持ち出すには、なかなかの気合いが要ります。撮っている最中は楽しいのですが、持ち歩いている時間のほうが長いので、そのあたりはもう少し技術ではなく根性の問題です。
あと、今回は色を作るのが面倒だったので、全部白黒にしました。
夜の街の重たさや、人の濃さはむしろこっちのほうがまとまりやすかった気もするので、結果オーライということにしておきます。
たまにはこういう形で、留学先の様子を写真で残していくのもよいかもしれません。
次にまたカメラを持ち出す元気があるかは分かりませんが、もしあれば、そのときはまた何か撮ってこようと思います。
















